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今年初のテント泊登山は大菩薩嶺の福ちゃん荘で。初心者におすすめ。

2020/05/03
 
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今年初めてのテント泊は山梨県にある日本百名山、大菩薩嶺をチョイスしました。
テント泊装備は重いので、楽チンな上日川峠から。テント場はこの峠にあるロッジ長兵衛と、登山口から30分弱登ったところにある福ちゃん荘にあります。いずれも駐車場から近いので、少々装備が重くても楽勝!と思い、調子に乗って撮影機材をたくさん持ってきたのですが、これがそもそもの誤りだった・・・。というのはこの後の話で。
今回は福ちゃん荘のテン場で幕営。登山口から近いので、23kgの荷物を背負ってもさほど苦にはなりませんでした。
初めてテント泊をする人には、荷物の重さに心が折れる前にテン場に着けるのでお勧めです^^;)

コース

ルート地図

ルートタイム

一日目

上日川峠⇒24分⇒福ちゃん荘⇒55分⇒雷岩⇒7分⇒大菩薩嶺⇒8分⇒雷岩⇒8分⇒神部岩⇒18分⇒賽ノ河原⇒3分⇒親不知ノ頭⇒11分⇒大菩薩峠⇒12分⇒熊沢山⇒13分⇒石丸峠⇒15分⇒熊沢山⇒8分⇒大菩薩峠⇒21分⇒勝縁荘⇒2分⇒富士見山荘⇒5分⇒福ちゃん荘⇒52分⇒雷岩⇒34分⇒福ちゃん荘泊

二日目

福ちゃん荘⇒4分⇒富士見山荘⇒2分⇒勝縁荘⇒31分⇒大菩薩峠⇒11分⇒親不知ノ頭⇒15分⇒大菩薩峠⇒13分⇒熊沢山⇒12分⇒石丸峠⇒8分⇒天狗棚山⇒12分⇒狼平⇒52分⇒小金沢山⇒37分⇒牛奥ノ雁ヶ腹摺山⇒33分⇒小金沢山⇒35分⇒狼平⇒30分⇒天狗棚山⇒10分⇒石丸峠⇒20分⇒熊沢山⇒10分⇒大菩薩峠⇒21分⇒勝縁荘⇒3分⇒富士見山荘⇒4分⇒福ちゃん荘⇒16分⇒上日川峠

ルートデータ

出発時刻/高度: 06:18 / 1597m
到着時刻/高度: 14:48 / 1598m
合計時間: 32時間30分
合計距離: 27.53km
最高点の標高: 2037m
最低点の標高: 1586m
累積標高(上り): 1720m
累積標高(下り): 1710m
荷物重量 : 上日川峠⇒福ちゃん荘 23kg 他山行16kg
消費カロリー : 7168kcal

登山レポート

上日川峠⇒福ちゃん荘

上日川峠の駐車場に午前6時過ぎに到着。駐車場はすでにかなり埋まっていていました。GW初日という事もありますが、手軽に登れる百名山なので休日は登山客が多いと思います。午前7時までに到着を目標に計画を立てられるのがよいかと思います。
上日川峠から少し離れたところに大きな数百台規模の駐車場があるようですが(歩いて15分程度らしい)、他の方のレコを読んだところ午前10時くらいにはほぼ満車だったようです。登山の定石通り、早めの行動が必要ですね。

上日川峠駐車場

上日川峠駐車場

登山口の前には立派なトイレもあり、向かい側にはロッジ長兵衛があります。ここにもテント場はあるのですが、せっかくの登山なので少し頑張って福ちゃん荘まで登りたいですね。福ちゃん荘までは緩やかな登山道を登って25分程度で到着します。宿泊客・物資運搬用の舗装道路もありますので、それを登れば楽ですがせっかくの登山なので登山道を登りたいですね。

福ちゃん荘

福ちゃん荘

福ちゃん荘のおばちゃんにテント泊したい旨を伝え、受付票に記入して400円を支払いテント場へ。テント場利用者は基本的に食事と買い物以外は小屋の施設を使用できないそうです。テン泊する人が山小屋の軒先を占拠してしまっては、日帰りのお客さんが利用できないので、テン泊の人は自分のテントを利用しましょうという事でしょう。

福ちゃん荘テント場
幕営

唐松尾根から雷岩、大菩薩嶺山頂へ

幕営したら早速登山道へ。まずは唐松尾根を登って雷岩経由で大菩薩嶺山頂を目指します。
唐松尾根から雷岩までゆっくり登って一時間程。登山道は前半は樹林帯の山道。後半は岩場を登る山道になります。
後半には木々が切れて一気に視界が開け、富士山や南アルプスを見渡すことが出来ます。ここまで来ると雷岩までもう少し。

唐松尾根登山道前半
唐松尾根登山道後半

雷岩にはすでにたくさんの登山者が腰を下ろしておりました。大菩薩湖越しに見る富士山、甲斐駒から聖岳までズラリと並ぶ南アルプス百名山オールスターズ。手軽に登れるところでありますが、眺望は抜群。小学生からお年寄りまで健康な人ならだれでも登れて景色がいい。いい山ですね。

雷岩から甲府市と南アルプス

富士山と登山者 雷岩下より

雷岩から大菩薩嶺山頂へ。標高差はあまりなくすぐ近く。10分ほどで到着します。山頂は噂通り全く眺望がなく、登山道にあるなんとなくピークっぽいところに山頂標識が立っているという感じでした。でも、せっかく百名山に来たので、しっかり山頂は踏みたいですね。

大菩薩嶺山頂

大菩薩嶺山頂

雷岩⇒大菩薩峠

雷岩に戻り、大菩薩峠へ。視界の開けた岩場の稜線をずっと下っていきます。標高差は100m程で道は緩やかで歩きやすいので、富士山と南アルプスや大菩薩峠までの稜線を眺めながらの散歩。気持ちのよい山道です。南アルプスを眺めて山座同定を楽しみながら降りていきました。大菩薩峠から登られてくる方もたくさんおられました。

大菩薩峠への稜線
大菩薩嶺を見返す

大菩薩峠手前の親知ノ頭ではたくさんの人が食事をしながら休憩をされていました。ここは休憩スペースもたくさんありますし、富士山と南アルプス、甲府の街の眺望もよく、昼食にはちょうど良い場所ですね。

親知ノ頭からの富士山

親知ノ頭からの富士山

親知ノ頭から大菩薩峠までは10分ほど。峠にある介山荘では飲み物、食べ物、アルコールも販売しております。もちろん宿泊もできますので、明け方の景色を楽しみたい方は丁度いいですね。
GWということもあり、介山荘の周りはたくさんの登山者でいっぱいになっていました。

親知ノ頭から大菩薩峠へ

親知ノ頭から大菩薩峠へ

介山荘と大菩薩峠
介山荘売店

福ちゃん荘テント場で一休み

この後、翌日に行く小金沢山と牛奥ノ雁ヶ腹摺山へのルートにある石丸峠まで偵察に行ってから、大菩薩峠経由で福ちゃん荘に戻りました。
荷物も重いのでゆっくり歩いたのですが、午前中でテントに戻れました。夕方に雷岩へ再度登る予定ですが、時間があるので昼ご飯を食べて昼寝をする事に。

福ちゃん荘でビール購入
昼からビール幸せ

再度雷岩へ

目が覚めると、テント場はたくさんのテントで埋まっていました。どうやら学生さんの団体が来られたようです。福ちゃん荘のおばちゃんからは、たくさんくるので囲まれないように端に幕営したほうがよいとアドバイスを受けていましたが、その通りでした。
15:30頃から再度唐松尾根を登って雷岩へ。16:30くらいに到着しましたが、景色はかなり霞んでいました。PM2.5や黄砂の影響でしょうか。陽が落ちていくにしたがってどんどん霞がひどくなっていき、夕日が山にかかる頃には真っ白になってほとんど何も見えなくなりました。夕日に照らされる富士山を撮ろうと思っていたので残念。

霞む景色
霞む夕日

せめて夜景だけでもと思い、陽が落ちてからも撮影。20:00前まで雷岩で撮影しました。陽が落ちる前までは風が強くて寒かったのですが、陽が落ちると風もやんで結構快適に。満月に近い月の光があたりを照らしていたので意外と明るくて周辺景色がよく見えました。誰一人いない岩場に一人でいるとちょっと心細く、背後に野生動物が出てきて襲われたりしないかなどと思いながら時々辺りをキョロキョロ見渡しながらの撮影でした。

雷岩からの夜景

雷岩からの夜景

この後、唐松尾根を降りてテント場へ。暗闇の中、どこからともなく聞こえてくる野生動物の不気味な鳴き声にビビりながら下山。20:30頃にテント場について、簡単に夕食を取って就寝しました。

翌朝、福ちゃん荘から大菩薩峠、親不知ノ頭で撮影

午前3:00起床。3:20分頃にテントを出て撮影ポイントの大菩薩峠、親不知ノ頭へ。40分程の林道歩きでしたが、道の脇に目を向けると金色に光る目がたくさんこちらを向いている。昼間歩いていて鹿道が多いとは思っておりましたが、この山域は鹿の大生息地のようです。大菩薩峠に登るまでに10頭以上の鹿に会いました(見えたのは目だけですが)。鹿は襲ってこないでしょうからよいのですが、熊やイノシシの目も同じように金色に光るのでしょうかね。
峠から親不知ノ頭の手前まで移動し、三脚を立てる。ほぼ満月の月が南アルプスを照らす光景が神々しかったです。

月光に照らされる南アルプス

月光に照らされる南アルプス

富士山は夜明け前の青い光でモノトーン。あまり面白みがないので、少し下に移動して、岩場の下りのところでご来光を撮影しようと移動しました。
日が昇ってくると、徐々に富士山も色付き始めて来ましたが今一つ赤くならず。昨日明け方車で移動して来た時は、ちょうど南アルプスの山々のモルゲンロートを見ながら来たので、同じように綺麗に焼けなかったのがちょっと残念でした。でも、柔らかい光彩の富士山もまたいいかなと、あとで写真を見ていて思った次第です。
この時間帯の撮影は、露出が刻一刻と変化するので撮影も結構忙しかったりします。自分の好みな感じに撮影できるように、あまりカメラ任せにせずに自分で調整する方が楽しいですね。
混雑するこの季節に、画角に人が写り込まないという贅沢なひと時を過ごすことが出来ました。人がたくさんいる写真も好きですけどね。

夜明けの富士山

夜明けの富士山

丹沢方面からの御来光
大菩薩峠の夜明け

石丸峠経由で小金沢山、牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ

大菩薩峠から熊沢山を登り石丸峠へ。登り切って視界が開けると、石丸峠から天狗棚山、狼平、小金沢山につながる稜線が一望できます。笹原は一面鹿道だらけで亀の甲羅のような模様になっています。
石丸峠に降りても笹原を前景に南アルプスが綺麗に見えます。いい感じの峠ですね。

石丸峠からの南アルプス

石丸峠からの南アルプス

石丸峠

石丸峠

石丸峠からまずは天狗棚山へ登ります。緩やかな山道なので登りやすいです。途中、牛ノ寝通り分岐がありますが小金沢山の方へ。

天狗棚山からの狼平、小金沢山

天狗棚山からの狼平、小金沢山

狼平までは気持ちのよい笹道で、南アルプスや八ヶ岳が見えました。開放感溢れる草原歩きはいいものですね。
小金沢山に入ると、風景は一変して木の根と岩が足元を覆う樹林帯に。地図で見ると平坦なので楽勝だと思っておりましたが、結構な重量を背負っていたこともあり意外としんどかった。

小金沢山の樹林帯

小金沢山の樹林帯

バテバテになりながら小金沢山山頂へ。大月市秀麗富嶽十二景となっているお山です。富士山の眺望がいいですね。だいぶん疲れていたのでたっぷり休んだ後、最終目的地である牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ向かいました。

小金沢山山頂標識
小金沢山から牛奥ノ雁ヶ腹摺山への道

牛奥ノ雁ヶ腹摺山までのルートは笹道メインでなだらか。歩きやすい山道です。木々の切れ目から南アルプスや丹沢方面の山々を眺めながら歩いていきます。30分ほどで最終目的地の牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ到着しました。このお山は日本で一番名前が長い山ということです。文字数では北海道の二百名山であるカムイエクウチカウシ山(通称カムエク)に及ばないですが、音数では勝っているということで一番のようです。カムエクは名前が覚えられないですが、牛奥ノ雁ヶ腹摺山は割と覚えやすいですね。大月市秀麗富嶽十二景になっており、富士山の眺望が綺麗なお山です。日本一から日本一を眺めていると思うとまたいつもと違った満足感を得られます^^;)

牛奥ノ雁ヶ腹摺山への道
牛奥ノ雁ヶ腹摺山山頂標識
日本一名前が長い山から眺める日本一

日本一名前が長い山から眺める日本一

帰りは荷物が重くてグダグダになりながらテント場までフラフラと戻りました。やっぱり荷物が軽いは正義です・・・。

テント場に戻ると

テント場に戻って一休みしてから撤収をしていると、テン場をうろつく怪しい影が・・・。
野生の狐がテント場にある食料を狙ってウロウロしていたのでした。人がいるにもかかわらず結構近くまで来るので、かなり慣れてしまっているようです。決してエサを与えないようにしないといけないですね。
テントの外に食べ物を置いておくのも厳禁です。幕営前に福ちゃん荘のおばちゃんに鹿が来るから気を付けるようにと注意喚起されますので、しっかり守りましょう。野生動物がエサを求めて簡単に近づくようになると、おちおちテントを張って寝ていられなくなります。餌付けは動物の為にも人間の為にもなりませんので、しっかり食料の管理をしないといけないですね。

テント場をうろつく狐

テント場をうろつく狐

今年初のテント泊は、またまたいつものように登山口からテン場まで近いところを選びましたが、テン泊初心者なのでこんな感じで徐々に慣らしていった方がよいと思っております。次回は昨年行けなかった八ヶ岳を狙っております。雪がなくなる頃に行きたいと計画をしている次第です。
しかし、もっと荷物を軽くしないと体力がもたないので、小さいサブザックの導入も視野に入れないといけないなぁと思っております。
今回も何事もなく無事に下山出来てなによりでした。

長い拙文をここまで読んでいただいてありがとうございました。

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