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雨でも楽しめる。北八ヶ岳 苔の森を歩く

2020/05/03
 
北八ヶ岳(にゅう、天狗岳)
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長引く梅雨の雨に我慢できず山へ

今年の梅雨はとにかく晴間がほとんどありませんね。例年ですと、雨雲が切れてカッと晴れる日があるものなのですが、今年は梅雨に入ってほぼ一か月雨が降り続いて晴間というものがほとんどありません。

天候が回復したら山へ・・・と思っておりましたが一向に登山日和の週末が来ないので我慢できずに雨の日強行登山をしてきました。

北八ヶ岳は苔むした森が有名な山域で、白駒池周辺は登山客以外の一般客でも周遊できるように整備されております。

ここなら雨が降っていても森の風景を楽しめるだろう・・・ということでチョイスしたのでした。

白駒池入口
白駒池入口

白駒池周回道へ

白駒池駐車場(有料500円/日)から白駒池入口を入ると綺麗な木道が敷かれておりました。入口から白駒荘までは木道が広く非常に歩きやすい。観光地ですね。

木道
木道

入口を入って歩いていくといきなり一面苔の森が広がっています。朝霧と相まって非常に幽玄な雰囲気を醸し出しておりました。

苔の森
苔の森

まだ、AM5:00ですので一般観光客の方はおらず、白駒池周辺にある青苔荘や白駒荘に宿泊されていたと思われる方が数人散策されているのみでした。

白駒池は朝霧に包まれて真っ白でしたが、それもまたいい雰囲気。池の周回道に入ると、一本木の木道になりました。苔の森綺麗ですね。

絶景と噂のにゅうへ

白駒池南東まで来ると、池に流れ込む川がありました。ここににゅうと周回路の分岐があります。雨が続いているためか結構な水量。水が豊かなのでこれだけの苔が生えるんですね。

にゅうは標高2300m程のピーク。山頂というより中山峠へ向かう尾根に樹林がなく岩が露出しているポイントなのですが、ここからの眺望が非常に素晴らしいらしい・・・。この日は小雨の降る天候なので、眺望については全く期待せずに苔の森を登って行きます。

しばらくは平坦な道を歩いていきます。途中にある湿原を越えると登山道に徐々に岩が増えてきます。登山道は一部川のように水が流れ、泥濘と化していました。

稲子湯温泉方面への分岐からにゅうへの登りが始まります。岩と苔の織り成す美しい森に包まれながら緩めの登山道を登って行きます。しかし、岩を登る道は意外としんどい。

黙々と登って行くと、岩の扉の向こうに光が差し込んでくるのが見えました。光に向かって岩の道を登って行くと、突如視界が開けてにゅうの頂が見えました。

にゅう山頂に立つ。案の定、小雨交じりの天気では眺望は聞かず周りは霧の中でした。まあ、予定通りなのでがっかりもしませんでしたが。ここからの眺望はまたのお楽しみにしておきます。

黒百合ヒュッテを経て天狗岳へ

にゅうを後にしてこの日の最終目的地天狗岳へ向けて歩き出す。ここから中山峠までは地図上は多少のアップダウンはあるもののほぼ平坦な稜線の登山道。最初に岩の山道を少し登ると後は泥濘と化した土の登山道。進行方向左側は晴れていれば眺望がありそうだけど、この日は真っ白。

途中に中山方面への分岐があったが、あとは特に見るものもなく中山峠に到着した。

中山峠はにゅう、黒百合平、天狗岳、稲子温泉と各方面への分岐があるこの山域のヘソのようなところ。当初の予定ではそのまま天狗岳へ向かう事にしていたが、このまま登ってもどうせ真っ白なので黒百合ヒュッテで休みながら作戦を練ることにした。

中山峠から5分ほどで黒百合ヒュッテに到着。こんな天候なのでテン場にはほとんど人気はない。

実は当初の計画ではここにテン泊して夜な夜な天狗岳あたりを彷徨して、夜の山岳写真を撮ろうと思っていた。今回は残念な空模様となったので計画変更で日帰り偵察登山としたのでした。

黒百合ヒュッテのベンチに腰を下ろして、おもむろにスマホを取り出す。SCW(天気予報サイト)で雲の動きを確認しようと思ったのだが、無情にも電波が届かない・・・。

仕方がないので一休みして天狗岳に登ることにした。好天を待つなら山頂の方がいいだろうと思ったので。

黒百合ヒュッテからの登りは天狗の奥庭と呼ばれる池の傍を通る道から登る。ひたすら岩だらけのガレた登山道。結構登りにくい。ヒュッテから天狗岳の山頂まで標高差は250m程しかないはずだが、ずいぶん大変に感じる。

雨なのでザックカバーをしていたため、ストックがザックに付けられずこの日はずっとストックを使っていた。ストックを使うと足への負担は非常に軽くなるのだが、こういう岩場の道ではかえって邪魔になる。ザックカバーをしていてもザックに収められるもっとコンパクトなストックが欲しくなる。

黒百合ヒュッテから一時間半ほどかけて東天狗岳に到着した。山頂に到着するまでに結構たくさんの人とすれ違った。老若男女いろいろな方がおられたが、こんな天候でも結構たくさんの人が登っているんだなと感心させられた。

東天狗岳は根石岳と西天狗岳への分岐点でもある。根石岳方面から結構たくさんの人がこちらへ登ってきていた。硫黄岳やオーレン小屋あたりからの人達だろうか。

ガスの向こうに見え隠れする根石岳は意外と近そう。行けないこともなさそうだけど、またの楽しみにとっておくことにした。硫黄岳から天狗岳まで赤線つなぎしないといけないし。

少し休んでから西天狗岳へ向かう。天狗岳は基本的に西天狗岳が山頂である。ここに来ないと登ったことにならないので気を付けましょう。西天狗についてもガスは晴れることなく、絶景があるであろう目の前には分厚いガスが流れている。真っ白な世界だ。

まあ、覚悟の上で登ってきているのでガッカリすることもなかったが、やはり一瞬でもガスが切れて眺望が開ける事を少しは期待していた。山頂で30分以上ガスが切れるのを待ってみたが、残念ながら眺望が開ける事はなかった。

西天狗岳山頂で自撮り

東天狗岳へ戻る途中、ちょっとの間だけガスが薄くなる。東天狗岳山頂上空に一瞬青空がのぞく。この日見た唯一の青空だった。

中山経由で白駒池へ戻る

東天狗岳から中山峠へ下る。登ってきた道と同様にガレた登山道だが、中山峠に近づくと木道が現れる。そこから間もなく中山峠に戻った。こちらからの方が登りやすいだろう。

中山峠から少し登ると中山とにゅうの分岐に着く。午前中に通った道だ。下山は中山を経由するため左の道を進む。緩やかな登りを登り切り、中山山頂へ。山頂は眺望がないが少し進んだところに展望地がある。

展望地はかなり広いガレ場で、奥にケルンがいくつか作られてあった。晴れていればおそらく素晴らしい展望が望めるに違いないが、ガスで何も見えない。

中山展望台から高見石小屋を目指してひたすらガレ場を下る道。途中、沼の様に水が溜まっているところも数カ所あったが、どうせ足元はドロドロなので気にせずジャブジャブ歩く。

高見石小屋までは結構距離があり、結局展望台から50分ほどの時間を要した。ひたすら岩の上をポンポン渡ってきたので結構脚が疲れた。

高見石小屋はその裏側に高見石という好展望地がある。5分ほど登るとこれから降りる白駒池が見下ろせた。周囲を見回すと、丸山やガスに隠れたにゅうも見える。天気が良ければここも好展望だろう。意外と手軽に来れる場所なので、地元のボーイスカウトらしき子供たちもたくさん来ていた。

高見石小屋から30分ほど下ると白駒池に戻れた。白駒荘にはこんな天候にもかかわらず観光客が結構来ていた。ここからは観光道。池や道のほとりの植物を撮りながらもと来た道を戻って行った。

登山口からの標高差がわずか550m程しかないコースなので楽勝だと思っていたが、ガレた道が多く結構疲れた。やっぱり楽な登山などなかなかないものだ。

今度は好天でオーレン小屋方面から登ってみたい。

アクセス・コース

登山口

白駒池入口。駐車場は有料500円/日。有料トイレあり50円/回。売店有。駐車台数は50台程度ではないかと思う。観光バスも数台とまっていた。

ルート地図

ルートタイム

白駒池駐車場⇒にゅう

白駒池駐車場⇒8分⇒白駒分岐⇒5分⇒白駒の池⇒3分⇒青苔荘⇒57分⇒白駒にゅう分岐⇒34分⇒にゅう

にゅう⇒天狗岳

にゅう⇒43分⇒中山分岐⇒9分⇒見晴らし台⇒6分⇒中山峠⇒5分⇒黒百合ヒュッテ⇒13分⇒天狗の奥庭⇒45分⇒天狗岳分岐⇒3分⇒天狗の鼻⇒2分⇒東天狗岳⇒9分⇒天狗岳

天狗岳⇒中山展望台

天狗岳⇒15分⇒東天狗岳⇒1分⇒天狗の鼻⇒7分⇒天狗岳分岐⇒30分⇒中山峠⇒3分⇒見晴らし台⇒8分⇒中山分岐⇒11分⇒中山⇒3分⇒中山展望台

中山展望台⇒白駒池駐車場

中山展望台⇒51分⇒高見石小屋⇒5分⇒高見石⇒2分⇒高見石小屋⇒23分⇒白駒荘⇒4分⇒白駒の池⇒3分⇒白駒分岐⇒12分⇒白駒池駐車場

ルートデータ

  • 出発時刻/高度: 04:47 / 2091m
  • 到着時刻/高度: 14:38 / 2091m
  • 合計時間: 9時間50分
  • 合計距離: 14.46km
  • 最高点の標高: 2603m
  • 最低点の標高: 2091m
  • 累積標高(上り): 823m
  • 累積標高(下り): 798m
  • 荷物重量 : MAX14kg
  • 消費カロリー :4392kcal
  • 消費水分 : 0.6l
  • 摂取カロリー :430kcal

持ち物

  • ザック OSPREY kestrel38
  • 登山靴 mont-bell タイオガブーツ
  • 手袋 軍手 予備メーカー不明手袋
  • ウインドブレーカー mont-bellウインドブラストパーカー
  • ミドルレイヤー mont-bell Tシャツ
  • ベースレイヤー mont-bellジオラインL.W.
  • パンツ mont-bellサウスリムパンツ
  • 靴下 mont-bell製
  • 防寒着 UNIQLO ULTRALIGHTDOWN (未着用)
  • 防寒着  mont-bellクリマプラス100ジャケット (未使用)
  • レインウェア mont-bellレインダンサー(未着用)
  • ストック メーカー不明(未使用)
  • GPS GARMIN62S
  • ヘッドライト blackdiamond spot(未使用)
  • カメラ NikonZ6
  • レンズ Nikkor Z 24-70F4S、Ai Nikkor 28mm F2.8S、Ai Nikkor 55mm F2.8S、AF Nikkor 18-35mm F3.5-4.5D、C-PLフィルター×1枚
  • 三脚 manfrotto PIXI EVO manfrotto Befree Advanced
  • その他 帽子 行動食(ゼリー×5、カロリーメイト×2)飲料水2.0L 救急セット 懐中電灯 予備電池 熊鈴 コンパス 地図 時計 携帯 財布 保険証 筆記用具 予備紐 ライター ビバークシート
  • ココヘリ発信機
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