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TAMRON 標準大三元SP 24-70mmF2.8 G2の性能をキットレンズと比較してみた

2019/03/21
 
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大三元とキットレンズどのくらい違うのか気になった

先日、しばらく使っていなかったキットレンズAF-S 18-55mmを久しぶりに使ってみたら結構よく写って感心したのですが、ふと愛用の大三元とどんな感じで違うのか気になりました。

TAMRON SP 24-70mmF2.8G2は市場価格が10万円前後でF2.8通しの標準ズームとしては安いレンズです。手振れ補正が5段分と強力で写りもかなり評判が良いコストパフォーマンスの高いレンズとして人気があります。

一方、NikonのDX用(APS-C用)キットレンズAF-S Nikkor 18-55mmF3.5-5.6G VRⅡはキット崩れで大量に中古が出回っているレンズで、8,000円くらいで売られています。安いレンズなので仕方がないでしょうが、マウントがプラスチック製であったりヘリコイド(ズームリングで動くらせん)の動きがイマイチスムーズでないなどつくりの安さが目立つのですが、写りもよく胴沈式で非常にコンパクト計量なレンズです。昔は単焦点レンズで山を撮って、サブとしてこのレンズをザックに忍ばせておいたものです。

しかし、TAMRONの大三元レンズを購入してからはこのレンズばかり使っていて、キットレンズを使う機会はありませんでした。F2.8通しはズームしても露出が変わらないので使いやすいんですよね。手振れ補正も超強力で滝などの水の流れも手持ちで撮れちゃいますし。

そこで、両方のレンズを山に持って行って同じ風景を撮って比べてみようと考えたのでした。

比較レンズ

  • TAMRON SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD G2
  • AF-S Nikkor 18-55mm F3.5-5.6G VRⅡ

撮影条件

撮影場所

静岡県焼津アルプスの朝鮮岩から静岡市街を日中に撮影。標高300mのところから街の建物を撮って解像具合を比較する。

[map addr=”W8MW+M4 駿河区、静岡県静岡市”]

撮影器具

  • ボディ Nikon D7200
  • 三脚 Manfrotto befree advanced
  • リレーズ

撮影方法

三脚で同様の場所を撮影。ピントはライブビューからコントラストフォーカスで統一。シャッターはリレーズを利用。ミラーアップは行わず。手振れ補正はONのまま。日中での撮影でシャッター速度が稼げるのでOFFにする必要はないと考えた。

焦点距離は24mmと55mmで比較をした。タムロンは24mm始まり、キットレンズはテレ端が55mm。お互いのワイド端とテレ端で絞りを変えて比較した。キットレンズが24mmの時の解放はF4、55mm時はF5.6であるので、それぞれの焦点距離でキットレンズの解放絞りとF8で比較をした。

比較画像

三脚で固定して同じ場所を撮ったつもりだったが、レンズ径がTAMRONはΦ82、キットレンズはΦ52mmとだいぶん違うので少し移すところがずれてしまった。下の写真は少し場所がずれているが概ね同じ建物を写しているので、それを念頭において比較してみてほしい。

なお、サンプル抽出は下記の赤丸位置あたりから500×500ピクセルで切り取った。なお、焦点距離24mmで絞りF8を撮り忘れたのであしからず・・・。

切り取り位置

焦点距離24mm 絞りF4

キットレンズは全体的にコントラストが低く中心はくっきり解像しているものの周辺は解像していない。タムロンは中心はよく解像しているが右側の片ボケが酷い。全体的にコントラストが高い写り。

AF-S 18-55mm 右端
AF-S 18-55mm  中心
AF-S 18-55mm  左端
SP 24-70mm 右端
SP 24-70mm  中心
SP 24-70mm  左端

焦点距離55mm 絞りF5.6

キットレンズは周辺がややあまいもののそれなりに解像している。タムロンは中心、左側はコントラストが高くシャープに写っているが、かなり改善はみられるものの右側の片ボケは相変わらず。

AF-S 18-55mm 右端
AF-S 18-55mm 中心
AF-S 18-55mm 左端
SP 24-70mm 右端
SP 24-70mm 中心
SP 24-70mm 左端

焦点距離55mm 絞りF8

F8まで絞るとキットレンズは中心、両端ともよく解像しておりなかなかの写り。タムロンはF5.6の方が解像感がありシャープに感じる。こう比べるとキットレンズって悪くない。

AF-S 18-55mm 右端
AF-S 18-55mm 中心
AF-S 18-55mm 左端
SP 24-70mm 右端
SP 24-70mm 中心
SP 24-70mm 左端

SP24-70mm 焦点距離70mm

タムロンのテレ端でF2.8、F5.6、F8で撮影。画像はフルサイズでアップしているのでクリックしてもらえれば大きな画像で見れます。それぞれの具合を確認してみてください。

F2.8

F5.6

F8

焦点距離24mmで撮影したときは中心は結構解像していたのだがテレ端で解放だとふわりとした写りになる。あとは右側の片ボケが気になる。 2段絞るとかなりシャープに。周辺もかなり改善している 。 3段絞ると中心はF5.6とあまり変わらないが周辺はさらに改善。

今回のテストで思ったこと

TAMRONの大三元は解放からコントラストがしっかりした写りで綺麗に撮れるのですが、私のレンズの個体だけなのかはわかりませんが片ボケがきつい。このレンズはF5.6あたりがピークのような気がする。前からそういう印象だったので、山では基本的にF4からF5.6を基準にして被写界深度をコントロールしているが、今回のテストであらためてそう思った。

一方キットレンズはF8まで絞るとかなりきちんと写る印象で、思った以上に使えるレンズだなと思いました。コンパクトなレンズで持ち運びの邪魔にはならないので、DXボディを使っている人には単焦点レンズと合わせて持ち運べばよいと思います。手持ちの単焦点では画角がカバーでいない場面で便利。

なお、キットレンズのAF-Sは現在AF-Pに型が変わっています。フォーカス速度が劇的に改善されているらしく(私は使ったことがないので・・・)Nikon純正大三元に匹敵するくらいフォーカスが速いらしい。安く出回っているのでこちらの方が良いかも。ただし、AF-Pは最近のモデルしか使えないので手持ちのボディで使用可能か確認してから購入した方がいいです。D7200もファームウェアアップデートしないと使えません。

私のTAMRONレンズは購入したときに強烈な前ピンと片ボケでメーカーへ即調整に出し、前ピンはかなり改善したのですが(それでも最終的にはTAP-in Consoleで調整が必要でした)片ボケはほとんど改善しませんでした。あれからそれほど気になっていなかったのですが、今回のようなテストをしてみるとまた気になりだしてきました…。フルサイズのボディにつけたらさらに酷いかもしれないなぁ。

参考になれば幸いです。では。

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