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登山で使うカメラの条件。初心者におすすめなのは?

2020/05/06
 
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山で撮影の前に心得ておく事

山は危険な場所

私も自戒を込めて書いているのですが、山は基本的に危険な場所です。足元は木の根が這いまわっていたり、ガラガラの岩場だったりと普段歩いているような整備された場所は限られています。そんな道の状態で崖の縁を歩いたり、岩場を登ったりと常に怪我のリスクにさらされています。足を捻挫や骨折をする等の事態になれば、その場を動くことも出来なくなるかもしれません。また、躓いたり足を滑らせたりして崖から滑落すれば、他の登山者に発見される見込みも薄くなります。

陽が落ちて夜になれば街灯もないので、手元も見えない暗黒の世界。明かりがなければ一歩も歩くことはできない世界です。

夜の編笠山登山道

一旦トラブルに遭遇すれば、命を失いかねない危険な箇所です。登山はもちろん楽しむものなのですが、山のリスクを絶対に忘れてはいけないのです。

優先すべきは撮影より安全

というわけで、山では何よりも自分や同伴者の安全が最優先です。

山で見られる絶景をなるべく綺麗に写真に収めたいというのは、写真を撮る人の心情です。ついつい、重いカメラやレンズを持って行きたいがために登山装備を疎かにしがちの方もおられるかもしれませんが、まずは登山に必要なものを優先して持って行くべきです。必要な装備をしっかり準備したうえで、持って行ける分だけの撮影器具を持参するようにしたいですね。

山では軽さが正義

登山は背中に重い荷物を背負って足元の悪い登り道を何キロも歩くアクティビリティです。コースによっては一日で20km以上歩くことも普通にあります。山登りに慣れていない人なら結構体力に自信がある人でも、かなり体力的に厳しいと思います。体力を消耗しないペース配分や足の運び方等は登山に慣れてこないとなかなか身につかないからです。

登山道を登る 仙丈ヶ岳

そんな状況でなるべく楽に登山をするにはやっぱり荷物を軽くすることですよね。私の場合、通常の日帰り登山では荷物重量を12kg程度に抑えるようにしています。登山を始めたばかりの人であれば8kg以下くらいに抑えるようにした方がいいかなと思います。経験上、このくらいの重量であれば、きちんとした登山用のザックであればさほど負担にならないと感じております。

カメラ機材は最小限に

登山に最低限持って行く荷物の重量はザックリと計算すると、ザック30Lクラスで1.3kg、レインウェア0.7kg、水2Lと行動食等食料で2.8kg。あとはストックやタオル、ヘッデン、救急セット等の小物で1.5kgくらいとするとこれで6.3kgになってしまいます。冬場の低山だとさらに防寒具に滑り止めが必要です。荷物を8kgにしようとするとカメラ機材を持って行くのに1.7kg程しか余裕がありませんね。

最初に山で使うカメラはボディとレンズを合わせても1kg以内の軽量なものにしたいですね。

登山装備がどのくらいの重量になるかは下のリンク先で書いてますので参考にしてください。

山はカメラにとっても過酷

山の天気は変わりやすい

山の天気は変わりやすいとよく言われておりますが、高山に行くほど顕著にその傾向があります。朝は晴れていたのに、昼を過ぎると急に暗くなってきて雷雨になる等夏場ではよくあることです。雨の中撮影をすることはあまりないと思いますが、不意の雨や雪で壊れないように、防滴性能があるに越したことはありません。

山は非日常。岩場や砂地、樹林帯。山頂付近は寒冷地

登山道は歩きやすい土の道ばかりではありません。木の根に覆いつくされた道を歩いたり、岩場を登ったり、ザレた砂地を歩く等様々です。こんな場所ではカメラも岩にぶつける等の衝撃を与えてしまう(してはいけないのですが)場面も出てきますので、なるべくシッカリしたつくりのカメラがいいですね。
また冬は低山でも-10℃くらいにはなりますので、なるべくなら低温時でもきちんと動作保証されたものが欲しいものです。

鳳凰三山地蔵ヶ岳 オベリスク直下のザレ場

山での使いやすさとは

使いやすい操作

フラッグシップのような高い一眼カメラは、いろいろな機能にすぐにアクセスできるように使い勝手をしっかり煮詰めて設計されています。安く手軽なカメラになってくると、ボタンの数が少なくなってくるので、欲しい機能へのアクセスするためにメニューを開かないといけない等ひと手間かかる傾向があります。

どのカメラでも慣れてくればそれなりに使えるようになると思いますが、ファインダーを覗きながらシャッター速度、絞り、ISO感度が簡単に変更できるものがいいですね。

自分で触ってみて使いやすいものを選びたいですね。

あと、意外と重要なのですがファインダーの視野率が100%のカメラがいいですね。エントリーモデルだとこれが85%しかない等のものがあります。視野率が100%でないと、ファインダーで見た画と実際の写真の写る範囲が違ってきます。写真を撮るときに、横に見えていた柱はかわしたはずなのに、実際写真を見てみると写っているなどという事が起こるので結構使いにくいです。視野率は100%近いものがいいですね。

手袋をしていても使えること

結構重要なポイントなのですが、冬場はゴツい手袋をしていたりするので、その状態でカメラも操作しなければいけません。手袋をしていると小さなボタンはきちんと押せません。絞りやシャッター速度等基本的な操作が手袋をしていてもきちんとできるカメラを選ぶ必要があるかと思います。

わたしがすすめるカメラ

最初のカメラなので10万円台で

10万円というと相当な出費ですが、一眼カメラとレンズ一本を購入するとなるとエントリーモデルでも概ねこの位の予算があった方がよいと思います。

個人的には完全なエントリーモデルを購入するより、中級機の方がいいと思います。エントリー機は簡単に取れるという方に重点を置いて設計されていて、カメラを操るという使い方には向いていないものが多いです。きちんとカメラを扱えるようになって思ったような写真を撮れるようになりたいと考えられている方には、扱い方が勉強できる中級機をお勧めします。ただ、値段もそれなりにしますので予算の都合がつかないのであればエントリー機でよいかと思います。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark Ⅲ

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III 14-150mm II レンズキット
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III 14-150mm II レンズキット

2020年2月発売。山へもって行くのにこれほど最適なカメラだと思っており、サブ機として一番欲しいカメラです。アウトドアフィールドで使用するための要件を一番満たしているカメラだと思います。

1.コンパクト軽量

マイクロフォーサーズという少し小さなセンサーを使っているのでボディがコンパクトかつ軽量です。持ち運びが楽だというのは登山では最重要なポイントになります。

2.ボディ、レンズ共に防塵防滴仕様。

OLYMPUSの防滴機能は非常に定評があり、巷では「水道で洗っても大丈夫だった」「川に沈んだけど大丈夫だった」など、ネットで調べると枚挙に断ちません(もちろん保証はできませんが・・・)。ボディは-10℃での動作保証がされています。冬場の登山は低山でも-10℃くらいは当たり前。ちゃんと動作保証がされているのは安心ですね。

3.驚異的な手振れ補正機能

内蔵手ブレ補正が強力で手持ちでシャッター速度数秒でも撮影可能という驚異的な手振れ補正機能を有しています。これなら星を撮るのでなければ三脚も必要がなくなるので荷物もより軽くできますね。

Nikon Z50

nikon z50

2019年11月発売。コンパクトで写りのよい事で定評があるカメラです。上位機種のZ6やZ7と同じ感覚で触れる操作系も扱いやすくていいですね。

Nikon Z50は紙面でのスペックは結構地味ですが、触って使ってみると凄く使いやすいカメラです。私は上位機種のNikon Z6を使っていますが、Z50は初めて触っても全く違和感なくすんなり使うことが出来ました。Z6もそうなのですが、ボタン配置や形状等が良く作りこまれていて扱いやすい。道具としての完成度の高さを感じられるカメラになっております。

1.コンパクト軽量

ボディはAPS-Cセンサーを使用したカメラの中ではトップクラスのコンパクト設計。しかも、キットレンズのNikkorZ16-50mmF3.5-6.3VRは胴沈式で収納時の長さは3㎝くらい。ボディと相まってとってもコンパクトです。重量もレンズと合わせて600g程度で軽い。

2.防塵防滴に配慮した設計

OLYMPUSよりややトーンダウンしますが、多少濡れる程度は問題ないようになっております。ただ、残念なのはキットレンズは防塵防滴ではないんですよね。防塵防滴であるフルサイズ用のレンズも使えるのですが、APS-Cセンサー用のレンズはまだキットレンズしか出ていないので、今後のレンズラインナップに期待したいですね。

3.操作性

Nikonのカメラの良いところは、電源ON/OFFから撮影時のダイヤル、ボタン類の操作等ほとんどの操作は右手だけで完結できるところ。レンズマウント左に配置されている二つのファンクションキーに、よく使う機能を割当することが出来ます。グリップしている手の指で簡単に操作が出来るところに配置されているので便利です。

初心者向きではありませんが・・・

Nikon Z6

Nikon Z6 Nikkor Z 24-70mmF4S

ちょっと高価になってしまいますが、昨年暮れに発売したNikonのフルサイズミラーレスです。プロやハイアマチュアが使うD850と同等の防塵防滴性能と堅牢性を兼ね備えた本格的なカメラです。また、レンズマウントを一新し、より高性能なレンズ開発を可能にしています。キットレンズの24-70mmF4の描写性能が非常によいと評判で、今までのFマウントでプロが使用する大三元標準ズームと同等以上の性能だと言われています。

初めて買うカメラとしてはちょっとハイスペックすぎますが、堅牢で軽量、コンパクトと山に持って行くには最適なのではと思っているカメラです。

SONY α7Ⅲ


α7 III ILCE-7M3

今一番売れているソニーのα7シリーズの標準版です。フルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラとしては圧倒的なコストパフォーマンスで、ファームウェアがまめにアップデートされて今でも進化し続けています。

レンズも近年では豊富にそろってきており、サードパーティーにマウントの仕様を公開していることもあり、純正以外にもタムロンやシグマから高性能レンズが多数発売されております。

山でも持ってきている方をたくさん見かけますね。防塵防滴に関しては配慮しているという記載のみなのでNikon程のタフさはないと思われますが、フルサイズを検討されている方には見逃せないカメラであります。

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