一眼カメラで写真を始めるなら型落ちモデルがおすすめ
目次
写真を始めるなら型落ちでも十分
型落ちでも画質は見劣りしない
写真を趣味にしてみたい。登山で見た絶景を綺麗な写真に残したい。そんな風に思って一眼カメラが欲しいと思っても、いざ購入するとなると結構値段が高くて躊躇してしまう。そんなことはありませんか。
カメラはスマホに押されて出荷数が年々減ってきています。最近のカメラメーカーはスマホとの差別化のために、一眼カメラは高性能・高価格帯のものに主軸を移しています。新製品はどれも10万円以上とカメラを始めたいという人にはなかなか厳しいですね。
でも写真を始めるのに現行モデルを購入する必要はないです。1世代前、2世代前のものでも現行モデルに見劣りしない綺麗な写真が十分撮れるんです。
下の写真を見てください。綺麗に撮れていると思います。この写真を撮ったカメラは2014年発売のNikon D3300です。現行のD3500から2世代前のモデルになります。しかもこのカメラはローエンドのエントリーモデルです。
6年前のカメラで機能面こそ現在のカメラに劣りますが、画質面では5,6年くらい前までのモデルならそれほど見劣りしないんですよね。
このD3300は今でも仕事や登山で時々使っています。十分よく写るし軽くて扱いやすいので。
基本は同じ。大きな違いは付帯機能
型落ちのカメラは現行機と比較して何が違うのか。主に違う点は、
- オートフォーカス性能(暗所でもピントが合う、動きの速い被写体にも追随する等)
- 連射能力
- ファインダーの性能(視野が広い、明るく見やすい等)
- 動画性能(4K動画が撮れる。タイムラプス撮影等の機能)
- 通信等(Wi-Fi、Bluetoothでスマホと連携等、PCとの連携)
- バッテリー寿命
- 可動式液晶パネル
この辺りの機能だと思います。
もちろん画質も現行機の方が新型センサーや画像処理性能の向上でよりクリアな写真が撮れるようになっていることが多いですが、結構微妙な性能UPです。何世代も重ねると塵も積もれば山となるではないですが、性能の差がはっきりあらわれるのですが、1,2世代くらいなら大きく変わりません。
これから写真を始めるという人なら、カメラについて詳しくないと思うので、あえて現行機を購入しなくても困ることはないと思うのです。カメラという道具の扱い方を覚えるのに多少の新旧は関係ありません。少々古くても綺麗に撮れるならば十分だと思います。
型落ちなら同じ値段でレンズも購入可能に
デジタルカメラは値下がりが激しい製品です。新機種が出ようものなら、前モデルはあっという間に値崩れをしていきます。
一眼カメラは基本的にカメラ本体とレンズは別売です。レンズは自分の目的にあうものをチョイスします。もちろんカメラとレンズのセットも販売されています。これは主にこれから写真を始める人のために、おおよそ普通に撮られている被写体が普通に撮れるレンズがセットにされています。
型落ち機種ならば新品でも現行機種本体の金額でレンズセットを購入出来るくらい安くなっていることが多いです。中古まで目を向ければさらに安く購入できます。これから写真を始める人ならばこちらに目を向けない手はないですよね。
とにかく安い一眼カメラNikon D3300
安くて綺麗に撮れるカメラ
Nikon D3300のレンズキットの価格が、マップカメラさんで27,800円(2020/4/18現在)でした。現行機種のD3500新品は価格.comで43,000円(2020/4/18現在)なので15,200円の価格差。
センサーのスペック比較では、画素数は両モデルとも2,416万画素。画像処理エンジンがD3500が1世代新しくなっていて高感度耐性(感度を上げた時に画像が荒れる耐性)が少し上がっています。それでもD3300で十分綺麗に夜景は撮れます。
また、D3500はsnapbrigeというスマホとの連携機能が搭載されていますが、D3300にはありません。
撮影機能にはさほど違いはありませんが、付帯機能やメニューへのアクセス等の操作性についてはやっぱり新しいものが使いやすくなっています。
D3300は現行同クラスの機種と比較してもほぼ同等の画質が得られるので、どうしても安く購入したいという方にはよい機種だと思います。でも、このくらいの金額なら現行モデルの方が高機能だからよいという考え方もあります。どちらを選ぶかは人それぞれですね。
安くカメラを購入して、使っていくうちに自分が撮りたいものに必要なものがだんだんわかってくると思います。その頃には写真もだいぶん上達していると思いますので、それから上位機種を検討してもよいのではないかと思っております。
とってもコンパクトで軽量
D3300の最大の特徴は460g(D3500は415g)とコンパクトかつ軽量なところです。このクラスの一眼レフはNikonに限らずCannonも軽量に設計されており、ミラーレスとさほど重量は変わりません。
ボディのコンパクトさの面ではミラーレスに分がありますが、堅牢性においては一部を除いてレフ機に分があります。D3300は以前、車の後部座席から勢いよく落ちて2m程アスファルトの上を転がっていったことがありますが、ボディは傷ついたものの動作には一切支障はありませんでした(運が良かった)。私がスナップで使っているNikon1 J4なら確実に破損していたでしょう。
機能は必要最低限。ゆえにカメラに慣れるのに最適
エントリーモデルなので撮影機能は最低限。タイムラプス撮影(静止画をつなげて動画にする機能)やブラケット撮影(露出を自動的に変えながら設定数連射)、多重露光(複数の写真を合成)、露出ディレー(振動ブレ対策に使う)等々中級以上のモデルならある機能はありません。
しかし、オートフォーカスもちゃんと使えるものですし、露出調整もダイヤルとボタンの組合せでストレスなくおこなえてとても使いやすくなっております。
軍艦部にあるモード選択ダイヤルで撮影モードを簡単に選択できます。シンプルでわかりやすい設計です。
コマンドダイヤルは一つしかありませんが、Mモード(マニュアルモード)では露出補正ボタン(±ボタン)やファンクションボタン(Fnボタン)との組合せで絞り・ISO感度・シャッタースピードをシームレスに調整できます。
シャッターボタンに電源スイッチが付いているのはNikonの一眼レフの共通点。非常に使いやすい。周りには露出補正ボタン(±ボタン)、infoボタン、録画ボタンが付いている。infoボタンはカメラの設定表示をするためのものだが、全く使わない。上位機種の様に各ボタンに機能を割り振れれば良いのだが、D3300はほとんどその機能がないのが残念。
iボタンを押すとホワイトバランスや測光モードなどの設定が出来ます。infoボタンを押した時のようにシャッタースピード、絞り値、ISO感度が表示されます。info画面のデザインは数種類の中から選べます。液晶画面が固定式なのが残念なところですが、価格重視モデルなので仕方がないですね。
グリップは指が引っかかるところの彫が深く握りやすい形状です。グリップは小さめなので手の小さな人でもしっかり握れるサイズです。
内蔵ストロボも付いています。発光量も自動調整なので簡単に使えますね。
キットレンズAF-S Nikkor 18-55mm3.5-5.6GVRⅡはよく写る
キットレンズでついてくる標準ズームレンズ。沈胴式でコンパクトで195gと軽量なレンズでボディと合わせて665g。軽いですね。
ズームリングに付いているボタンを押しながらズームするとレンズが伸びて使用できる状態に。伸びた姿はあまり格好良くない。
このレンズは胴鏡もマウントもプラスチック。ズームリングの動きもスムーズではなく(使用上問題ない程度だが)作りはいかにも安っぽい。前玉直後にあるフォーカスリングもマニュアルで使用するにはスカスカで回転角度も少なくオートフォーカスで使うことが前提の設計。
でも、写りに関してはあまり妥協をしていないようで、結構シャープによく写ります。絞り解放からF4くらいまでは周辺は甘い感じがしますが、F5.6くらいまで絞ると周辺もシャープに写ります。
AF-S Nikkor 18-55mmF3.5-5.6G VRⅡのテストについてのページはこちら
普通に使っていて特に不満を感じるところがなく、コンパクトなのでカバンについでに入れておけるのがいいですね。フルサイズ換算で28-83mmくらいの画角をカバーできるので、結構便利に使えます。現在はAF-Pレンズにモデルが変わっていてオートフォーカスが非常に高速になっています。D3300もファームアップすればAF-Pレンズが使えるようになりますので、ボディ単体とAF-Pを購入するのもいいですね。
D3300とAF-S 18-55mmレンズ。もしご興味がありましたら使いつぶすつもりで買ってみてください。結構使えるカメラですよ。