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ダイヤモンド富士を撮りに山梨県の竜ヶ岳へ ついでに毛無山まで縦走してきました。

2020/05/03
 
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ダイヤモンド富士で人気の竜ヶ岳とは

竜ヶ岳は本栖湖の南湖畔にある標高1485mのお山です。丸いお椀をかぶせたような形で中腹からは一面笹原に覆われた綺麗な山で、麓から登りやすくオールシーズン人気があります。特に12月はこの山から富士山を望むと山頂から日の出が見られるいわゆる「ダイヤモンド富士」を見ることが出来ます。冬場は空気も澄んでいてクリアな富士山を見られることが多いですし、基本的には雪深い山ではなく、ルートも明瞭。夜明け前からでも安心して登れるのが人気に秘密ではと思います。

いつものように暗いうちから登山開始

AM3:10。本栖湖湖畔にあるキャンプ場から出発。当然この時間はまだ真っ暗なのでヘッデンの明かりを頼りに登山口へ歩いていきます。

この山は以前にも暗い中登っているのでルートについては特に不安はなし。最初は樹林帯の中を登って行きます。台風の爪痕か所々倒木が登山道を塞いでいるところがありました。少し迂回したり乗り越えたりでかわして登って行きます。

小一時間登ると石仏がある見晴らし台に到着。ここから展望が開けて東屋もあるので休憩にはちょうどいい場所。以前登った時はここで日の出の撮影をしました。今回はもっと上で撮りたいので休憩もそこそこにして登ります。

見晴らし台の石仏
見晴らし台の石仏

見晴らし台からは笹原の中を九十九折れに登る登山道になります。笹がやや高いですが遮蔽物も少なく見晴らしがいい道です。南には富士宮や富士市の街灯りが見えます。

富士山と朝霧高原
富士山と朝霧高原

ダイヤモンド富士は登山道の途中で撮ろうと思っていたのですが、暗い中だとどこが良さそうなのかイマイチというか全然わからない。とりあえず、三脚を片手に登りながら撮影してみてよさそうな場所を探す。

山頂のちょっと手前の分岐近くまで登ると麓は見えなくなった。そこから山頂までは富士山以外は笹原しか見えませんでした。 山頂に到着すると幕営をしている人が結構いて驚いた。5,6張りはあったかな。竜ヶ岳山頂は広場になっていて幕営適地ではあるけど、幕営して良い場所なのだろうか。

山頂にはその他にも子供も含めてたくさんの人がいました。山頂からも富士山の麓は見えないし人も多い。富士山の麓も見える場所で撮りたかったので、登って来るまでの試し撮りで一番よさそうな場所まで戻ることにした。

待ちに待ったダイヤモンド富士

もどって登山道の隅に三脚を立てる。登って来る人の邪魔になるので、なるべく端に立てたけどやっぱり邪魔だろうか。登って来る人は一応特に問題なく登って行かれました。

登山者の軌跡
登山者の軌跡

時刻はAM6:00。夜明けまであと40分ちょっと。富士山の背景が大分明るくなってきた。富士山の頂から太陽が登るのは日の出時刻からどのくらいなのか特に考えずに登ってきてしまったけど、この時はあまり気にしていなかった。このことが今回の山行での痛恨のミスを引き起こす。

日の出の時刻を過ぎると、富士山の左右の景色は赤い光で照らされた。御坂の山のモルゲンロートを眺めながら写真を撮る。

左ピークから王岳、十二ヶ岳、黒岳、三ツ峠山
左ピークから王岳、十二ヶ岳、黒岳、三ツ峠山
駿河湾と富士市に訪れる朝
駿河湾と富士市に訪れる朝
笹原の向こうに青木ヶ原樹海
笹原の向こうに青木ヶ原樹海

富士山の左右からは次第に光が広がっていき、ダイヤモンド富士へのカウントダウンのようだった。

ダイヤモンド富士
ダイヤモンド富士

AM7:40。 やっと来たダイヤモンド富士。待ちくたびれました。日の出から一時間もかかるとは。やっぱり富士山って大きいね。

ダイヤモンド富士を鑑賞した後再び竜ヶ岳山頂へ。快晴の青空の元八ヶ岳が奇麗に見えました。振り返ると御坂の山々も綺麗に見える。御坂モルゲンロートはここから撮った方がよかったなぁなどと思いながら山頂へ。

八ヶ岳
八ヶ岳
笹道の向こうに見える御坂の山々
笹道の向こうに見える御坂の山々

山頂に着くとなんと凧揚げ大会が模様されていました。山頂に来て再びビックリでした。

凧揚げ大会
凧揚げ大会

端足峠から二百名山毛無山へ向けてまずは雨ヶ岳へ

凧揚げ大会が模様されていた山頂を早々に辞して登って来た反対側にある端足峠へ下る。竜ヶ岳の西側からは南アルプスが良く見えます。白峰三山や荒川岳、赤石岳等冠雪した3000m超の名山が軒を連ねています。

南アルプスもよく見えるなぁ。などとこの時は思っていたのですが、帰宅してからヤマレコを見ていたら「南アのモルゲンが最高でした」というレコが。しまった!と気が付いたのはこの時でした。

のんびり一時間もダイヤモンド富士を待っている時間があったらこっちで南アルプスを撮るべきでした・・・。撮影もちゃんとタイムスケジュールを作って行動しないといけないですね…。反省です。

白峰三山
白峰三山
八ヶ岳
八ヶ岳

毛無山への縦走路の最初の目標地、雨ヶ岳へは一旦200m程下った端足峠から500m登り返さなければなりません。しかもこの道は尾根の直登ルート。結構急登でしんどい。

冬季はダケカンバ(だと思う)の葉が落ちて、枝の隙間から周囲が見渡せる。急登を登りながら時々振り返ると本栖湖の湖面が奇麗な青色に輝いていた。見上げると青空。きついけど程よく冷えて締った空気の中で見上げる青空は気持ちがいい。

本栖湖
本栖湖
登山道から見える青空
登山道から見える青空

雨ヶ岳山頂に近づいてくると、視界が開けて富士山を一望できた。ここからもうひと頑張り登ったところが山頂だ。山頂はこじんまりした平らなスペースがあり、笹越しに富士山を見られる好展望地。ここを目的地に登って来る人も多い。

天方家山頂下から見える富士山
雨ヶ岳山頂下から見える富士山

富士山を眺めながらの縦走路

雨ヶ岳山頂まで来たらいよいよ天子山塊の縦走路の始まり。この山域のピークは1900mを越えていて富士山周辺を囲む山々の中では最も高い。とはいえ、特に難しいわけではない。昔は毛無山から雨ヶ岳へのルートは深い笹に覆われていて藪漕ぎと高いRF能力が必要だったようだが、近年は笹藪はしっかりと刈られていてルートが明瞭になっている。非常に歩きやすい登山道だ。

雨ヶ岳の標高は1772m。ここから少し下ってから200m登り返すと最初のピークタカデッキに到着する。ここを過ぎて少し南に進むと富士山や駿河湾、反対側には南アルプスが見える好展望地がある。今回のルートで一番周囲の眺望がよいのは竜ヶ岳周辺とタカデッキだろう。

最終目標の毛無山までのルートも見える。 毛無山まで意外と近く見えるがそれでも一時間くらいかかる。左側には概ね富士山が見えていて、右手には南アルプスが木々の間から垣間見える。歩いていてなかなか気分がいい登山道だ。

タカデッキ
タカデッキ
タカデッキからの富士山と駿河湾
タカデッキからの富士山と駿河湾
駿河湾と登山道
駿河湾と登山道
毛無山への道
毛無山への道
タカデッキから白峰三山
タカデッキから白峰三山

タカデッキから緩やかに100m弱下って150m程登り返すと大見岳に到着する。大見岳という標識はないが、道案内の標識が立っている。また、東側にはロープが張ってあり侵入禁止になっている。地図を見るとここから麓まで下りるルートが記載されているが今は廃道になっている。以前ヤマレコでここから下った方のレコを見たが、大変そうだったので普通の人は近寄らない方がいいと思う。

大見岳から少し南下したところに毛無山の山頂がある。標高1964m。ただし、一般的には毛無山の山頂はここではなく、15分ほど南に下ったところにある標高1946mのピークに山頂標識がある。ほとんどの人がこのピークまでの登頂だが、本物の山頂はこっちである。ピークハントをしている方はくれぐれも間違えないように気を付けよう。

本物の山頂
本物の山頂

大見岳と本物山頂の周囲は結構立派な古木があって個人的には好きな雰囲気の森。以前霧の中を歩いたがいい感じだった。葉の生い茂る夏季にも来てみたいと思わせるところである。

本物の山頂からさらに南へ下る。このころには霜柱が溶けて足元が緩くなっている。竜ヶ岳から毛無山までの地面は泥濘になりやすいので、気になる人はスパッツを付けた方がいい。

富士山を横目に見ながら15分ほど歩くと一般的山頂に到着する。ここに着いたら昼前という事もあるがたくさんの登山者が昼食を楽しんでいた。

富士山
富士山
毛無山山頂(一般)
毛無山山頂(一般)

そして下山。バスで本栖湖へ

バスの時間もあるので山頂で程々休んですぐに下山開始。南に降りていくとまもなく分岐に差し掛かる。どちらを行っても下山は可能だが、地蔵峠方面は台風の影響で一時通行止めになっていたと記憶しているし遠回りである。当初の計画通り直接降りるルートで下る。

地蔵峠分岐
地蔵峠分岐

毛無山からの下りは単調だ。ひたすらガレて急峻な道を下る。このルートは麓から一気に1000mを直登する割とヘビーな登山道。下りで使っても結構脚にくる。

分岐から降り始めて間もなく富士山展望台という標識がある。少し突き出た岩の上から富士山を望める眺望ポイントだが、ここからの富士山は岩の上に立った高度感と相まって非常にいい感じで眺められる。天気が良い日は是非立ち寄ってほしい場所である。

富士山展望所からの眺め
富士山展望所からの眺め

あとはヘロヘロになりながらもひたすら下る。疲労と相まって単調な岩場の下りに飽きてくるが、我慢して下る。分岐から一時間半程かけてようやく麓の登山口に到着。ヘロヘロになった足腰に脆弱さを感じる。道中特に撮るものもなく、登山道の記録写真を撮影する。

登山道の木洩れ日
登山道の木洩れ日
毛無山登山口の渡渉
毛無山登山口の渡渉

登山口の渡渉を渡り終えると後は林道。林道を抜けると毛無山有料駐車場があり、ここからは舗装道路となる。あとはふもとっぱらキャンプ場の脇を歩いてバス停を目指すだけだ。途中の十字路にある麓トイレは清潔でベンチもあるので休憩に良い。

毛無山駐車場からの舗装道路
毛無山駐車場からの舗装道路

ふもとっぱらキャンプ場はコンサートや様々なイベントも開催されている広大なキャンプ場だ。キャンプに興味がない人でも結構認知されている場所(だと思う)。大きな富士山が眺められるキャンプ場だ。私も一度はここでキャンプをしてみたい。

ふもとっぱらキャンプ場
ふもとっぱらキャンプ場

麓トイレから30分ほど歩いてようやくバス停に到着した。バスの到着時刻より50分程早く着いた。早く着きすぎてしまったが遅れるよりはよい。

この後定刻の15:13になってもバスは来ず。しばらくしても来ないので不安になってバス会社に運航しているのか確認をしていたら、15分遅れでバスが来た。結局一時間以上バス停で待っていた。

バスが定刻に来なくても辛抱強く待ちましょう。きっと必ずバスは来ます。

バス停
バス停

アクセス・コース

登山口へのアクセス

竜ヶ岳へのアクセスは国道139号線の本栖交差点から国道300号線に入った先にある本栖湖への入口から入ります。本栖湖沿いの道を進むと左手にキャンプ場と大きな駐車場があります。スペース的には軽く100台以上停められるので空いていなくて困ることはないと思います。

登山口は駐車場からキャンプ場や林を抜けて15分ほどのところにあります。登山口への案内標識が立っているので暗くても迷わずたどり着けると思います。

富士急バス

今回は毛無山まで縦走なのでバスでここまで帰ってきました。ふもとっぱらキャンプ場の入口にある朝霧グリーンパークBSから乗ります。富士急バスが運営している新富士駅から河口湖近くの富士山駅まで走る路線バスです。この路線は非常に便が少なく一日4便しかありません。本栖湖へ戻る最終便は15:13分(だったと思う)です。バスの時間には間に合うように行動する必要があります。下の時刻表を見ていただくと乗車したバス停は載っていませんが、まかいの牧場と道の駅朝霧高原の間にあります。

富士急バス時刻表

富士急バス路線図

ルート地図

ルートタイム

【駐車場⇒竜ヶ岳】

本栖湖キャンプ場⇒50分⇒石仏、見晴らし台⇒66分⇒湖畔登山口・石仏分岐点⇒7分⇒竜ヶ岳⇒ 7分⇒湖畔登山口・石仏分岐点⇒10分⇒竜ヶ岳

※見晴らし台から竜ヶ岳山頂までは三脚撮影しながら登っていたので、普通に歩けば半分程度の時間で着くと思います。撮影ポイントを探してうろうろしていたので山頂からまた戻る等をしています。

【竜ヶ岳⇒毛無山】

竜ヶ岳⇒30分⇒端足峠⇒81分⇒雨ヶ岳⇒34分⇒タカデッキ⇒38分⇒大見岳⇒6分⇒毛無山⇒15分⇒毛無山(天子山地)

【毛無山⇒朝霧グリーンパークバス停】

毛無山(天子山地)⇒4分⇒地蔵峠・毛無山尾根道出合⇒7分⇒富士山展望台⇒32分⇒毛無山五合目⇒20分⇒不動の滝見晴台⇒15分⇒地蔵峠・毛無山分岐点⇒7分⇒毛無山駐車場⇒9分⇒麓トイレ⇒12分⇒毛無山臨時駐車場⇒13分⇒朝霧グリーンパーク入口BS

ルートデータ

  • 出発時刻/高度: 03:14 / 909m
  • 到着時刻/高度: 14:36 / 823m
  • 合計時間: 11時間21分
  • 合計距離: 18.22km
  • 最高点の標高: 1941m
  • 最低点の標高: 813m
  • 累積標高(上り): 1572m
  • 累積標高(下り): 1647m
  • 荷物重量 : MAX14.5kg
  • 消費カロリー :4769kcal
  • 消費水分 : 1.0l
  • 摂取カロリー : 400kcal

持ち物

  • ザック kestrel38
  • 登山靴 mont-bell ツオロミブーツ
  • 手袋 mont-bellシャミーズグローブ、OutDryアルパイングローブ(未使用)
  • ウインドブレーカー mont-bellウインドブラストパーカー(未使用)
  • ミドルレイヤー mont-bellクリマプラス100ジャケット
  • ベースレイヤー mont-bellスーパーメリノウールEXP.、ミレードライナミックメッシュ
  • アウターレイヤー mont-bellロッシュジャケット
  • パンツ mont-bellサウスリムパンツ
  • 靴下 mont-bell製
  • レインウェア mont-bellレインダンサー(未着用)
  • ストック メーカー不明(未使用)
  • GPS GARMIN62S
  • ヘッドライト blackdiamond spot
  • カメラ Nikon Z6
  • レンズ Nikkor Z 24-70F4S、AF Nikkor 18-35mmF3.5-4.5D、Ai Nikkor 85mmF1.4
  • 三脚 manfrotto befree advanced、manfrotto PIXI EVO
  • その他 帽子 行動食(ゼリー×1、カロリーメイト×3、チョコ)飲料水1.5L 救急セット 懐中電灯 予備電池 熊鈴 コンパス 地図 時計 携帯 財布 保険証 筆記用具 予備紐 ライター ビバークシート,ココヘリ発信機
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