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岩登り登山の入門 十二ヶ岳はトレーニングに最適

2020/05/03
 
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十二ヶ岳とは

富士山の北側にある御坂山塊にある標高1683mのお山です。西湖の後背に位置しており、御坂の稜線からは一つ南に外れたところにあります。

このお山の最大の特徴は急峻な岩場が連続する登山道です。稜線ルートの開始位置に当たる毛無山山頂から一ヶ岳、二ヶ岳・・・十一ヶ岳、十二ヶ岳と小さなピークをロープ場でアップダウンしながら歩きます。クライマックスの十一ヶ岳からの下りは感覚的に30mくらいの崖をロープと岩の突起を頼りに下っていきます。下りきると小さなつり橋があり、そこからは十二ヶ岳山頂まで100mほど岩場の急登をロープを頼りに登ります。

山梨県や静岡県の登山者の岩登り練習山として人気があり、関東方面からも来られる方が結構おられるようです。

十一ヶ岳のロープ場
十一ヶ岳のロープ場

そんな高所恐怖症の人にはちょっと怖いお山ですが、岩登りばかりではなく、富士山や周辺の眺望がよいお山なので、頑張って山頂に着いた時の満足感もより大きなものになるでしょう。

アクセス・コース

登山口

西湖北側湖岸の道沿いにある文化洞トンネルの西側にハッピードリンク自動販売機所があります。東から西へトンネルを通ってくれば、登山者用駐車場の看板があります。そこを北に入り奥へ進むと10台程駐車できる無料駐車場があります。周りは民家ですので、迷惑にならないように気を付けましょう。

ルート地図

ルートタイム

登りタイム

登山者駐車場⇒63分⇒毛無山⇒1分⇒一ヶ岳⇒15分⇒四ヶ岳⇒33分⇒十一ヶ岳⇒2分⇒十二ヶ岳吊橋⇒12分⇒十二ヶ岳

寄り道

十二ヶ岳⇒39分⇒金山⇒31分⇒十二ヶ岳

下山タイム

十二ヶ岳⇒28分⇒地蔵⇒13分⇒沢⇒19分⇒桑留尾分岐⇒26分⇒登山者駐車場

ルートデータ

  • 出発時刻/高度: 02:59 / 916m
  • 到着時刻/高度: 09:24 / 917m
  • 合計時間: 6時間25分
  • 合計距離: 10.14km
  • 最高点の標高: 1671m
  • 最低点の標高: 909m
  • 累積標高(上り): 1003m
  • 累積標高(下り): 977m
  • 荷物重量 : MAX12kg
  • 消費カロリー :2958kcal
  • 消費水分 : 0.5l
  • 摂取カロリー : 0kcal

持ち物

  • ザック deuter FUTURA28AC
  • 登山靴 mont-bell タイオガブーツ
  • 手袋 作業手袋指詰タイプ mont-bellメリノウール メーカー不明防水手袋
  • ウインドブレーカー mont-bellウインドブラストパーカー(未使用)
  • ミドルレイヤー mont-bell Tシャツ
  • ベースレイヤー mont-bellジオラインL.W.
  • パンツ mont-bellストライダーパンツ
  • 靴下 mont-bell製
  • 防寒着 UNIQLO ULTRALIGHTDOWN (未着用)
  • レインウェア mont-bellレインダンサー(未着用)
  • ストック メーカー不明(未使用)
  • GPS GARMIN62S
  • ヘッドライト blackdiamond spot
  • カメラ NikonZ6
  • レンズ TAMRON 24-70F/2.8 Di VC USD G2+FTZ
  • 三脚 manfrotto PIXI EVO manfrotto Befree Advanced
  • その他 帽子 行動食(ゼリー×5、カロリーメイト×2)飲料水2.0L 救急セット 懐中電灯 予備電池 熊鈴 コンパス 地図 時計 携帯 財布 保険証 筆記用具 予備紐 ライター ビバークシート チェーンスパイク

登山レポ

暗闇の中毛無山を目指す

駐車場をAM3:00に出発。周りは民家なので熊鈴は手で押さえてなるべく静かに登山口を目指す。駐車場の案内ではトンネルを通って反対側から登るようになっていたが、暗闇の中トンネルの中を通るのは車に轢かれそうで怖い。事前調査で駐車場を登ったところから左に行くと登山口があるらしかったのでそちらから登ることにした。

駐車場にある登山口案内
駐車場にある登山口案内

歩いてきた道に対して鋭角に登る道が登山口だ。行ってみると登山口っぽくないが山の方へ登って行っているのでそのまま進んだ。

登山道入口
登山道入口

少し進むと左右にお墓が立ち並ぶ。どうやらこの道は地元の方のお墓への道のようだった。左右にお墓を見ながら月も雲に隠れて真っ暗な道を登って行く。あまりいい気がしない。というより怖い・・・。調べた登山レコではお墓などとは書いていなかったのだが・・・。少し登ると大きな慰霊碑のようなものがあり、登山道の分岐に出た。ちなみに写真はとても撮る気になれなかったので一切ない。

登山道分岐
登山道分岐

まずは毛無山の前衛にあるピークまで標高差300mを一気に登る。結構急登だ。暗闇の中でもルートは明瞭なので迷うことはない。早くも汗ばみながら息を切らせて登る。小ピークまで達するとなだらかなブナ(だとおもう)の山道になる。この道で朝を迎えると清々しい登山が楽しめそう。

登山口から一時間ちょっと登ると視界が開けて富士山が目の前に。天気予報は終日曇りだったのであまり期待していなかったが、まだ冠雪している富士山を見ることが出来てよかった。富士山の手前は足和田山。この日の目的地十二ヶ岳と同じ山梨百名山の一つだ。下に見える山が先ほど登ってきた小ピークだろう。

毛無山山頂下からの富士山
毛無山山頂下からの富士山

もう少し登ると西湖の東岸も見えてきた。あのあたりから北に入ったところが駐車場のはずだ。標高差で約600mあるが、一時間で結構登ってこれるものだ。

本来であれば空が赤く染まってきていてもよい時間なのだが、あいにくの曇り空でその気配は全くない。早朝登山の醍醐味は朝日とモルゲンロートなので残念だが、予報通りなので諦めもつく。

西湖と富士山
西湖と富士山

毛無山山頂は結構広かった。人気の山ならベンチの一つでも置いてあるのだが、御坂の山はどちらからというとマイナーなので、そのような気が利いたものはない。でも、腰を掛けられる岩もあるので十分。山頂からは河口湖の西岸と富士山のセットを見ることが出来た。このお山は手軽に登れてなかなか眺望がよい。

河口湖と富士山
河口湖と富士山

今回のコースはこの毛無山山頂からが本格的な登山道になる。富士山周辺の山屈指の岩場ルートの始まりだ。

一ヶ岳から十二ヶ岳まで12個のピークを踏んでいく

毛無山山頂をあとにするとすぐに一ヶ岳の標識があった。ここから12のピークを踏んでいくことなる。最初は痩せ尾根を歩く登山道だったが徐々にロープ場が現れだす。それでも、さほど難しくなく歩いて行ける。

一ヶ岳標識
一ヶ岳標識

所々に展望の良いポイントが点在し、そこから富士山や西湖が見える。相変わらずの曇り空だったが、富士山はまだ雲に隠れずすっきり見えている。もしかすると十二ヶ岳に着くまでもってくれるかもしれない。

富士山と西湖
富士山と西湖

この日のメイン十二ヶ岳の姿も木の間や切れ目からよく見える。結構近いようでなかなか近づいてこない感じ。

木々の先に見える十二ヶ岳
木々の先に見える十二ヶ岳

八ヶ岳(当然ですがあの八ヶ岳ではなく、単なる八つ目のピーク)からの下りのロープ場には紫色の形の綺麗な花がたくさん咲いていた。クモイコザクラという花らしい。日本固有種で絶命危惧種ですごく貴重な花。岩場の日の当たりにくいところに咲いている感じだった。

クモイコザクラ
クモイコザクラ

小一時間ほど歩くと十一ヶ岳に到着した。ここから十二ヶ岳へ向かうキレットが本日の核心部。下を覗くとそこが見えないロープ場の崖。顔を上げると雲に包まれる十二ヶ岳。ラスボス的な雰囲気だ。キレットをロープを頼りに降りていく。30mくらい下っただろうか。するとこのコースでもっと有名なつり橋に着く。つり橋自体は小さいのでさほど揺れない。かなり安心して渡れるつり橋だった。

ラスボス十二ヶ岳
ラスボス十二ヶ岳
キレットへの下り口
キレットへの下り口
つり橋
つり橋

キレットの底から山頂までの登り返しは標高差100mほど。この標高差をほぼ崖登りをしながら上がっていく。このコースで一番楽しいところだという人も多いと思う。

つり橋からの登り始め
つり橋からの登り始め

しかし、私の場合基本的に高いところが苦手なので、登っている崖を見下ろすと足がすくむ。正直ちょっと怖かった。途中、平坦な場所があったので一休みをして景色を一望する。3月に歩いた御坂の尾根に雲がかかっている。奥には1月に登った釈迦ヶ岳がかすかに見える。雲で霞む景色もまたいい。

雲で霞む御坂の稜線
雲で霞む御坂の稜線

崖を登り切り、少し進むと下山道の分岐がある。それを過ぎればすぐに山頂だ。山頂に着いた時には残念ながら富士山は完全に雲の中に隠れてしまっていた。眼下にはかすかに西湖が見える程度。視界があまりない中岩に腰を下ろして休憩。山頂の傍らに立つ古木がドラクエのモンスター人面樹のようで面白かったので撮影。視界が見えないなりに撮るものを探すのも楽しい。

十二ヶ岳山頂標識
十二ヶ岳山頂標識
人面樹?
人面樹?

踏破の軌跡をつなぎに金山をピストン

十二ヶ岳から30分ほど北にある金山まで行けば、今まで歩いてきた踏破の軌跡が繋がる。ガスで眺望のない山頂を後にして北の稜線に入った。こちら側も先ほどまで歩いてきた道と変わらず、アスレチックな登山道だ。むしろさらに危険を感じる崖下りもあって緊張した。

降りた崖を見上げる
降りた崖を見上げる

途中の岩稜の小ピークからの眺望は抜群だった。谷の先に西湖のキャンプ場や宿泊施設が見える。曇り空の隙間からさす日の光がスポットライトの様に緑の山肌を照らす様が奇麗。高度感もあって気持ちがいい場所だった。

小ピークからの眺望
小ピークからの眺望

小ピークから先は岩稜はなくなり、歩きやすい登山道だった。緊張感から解放される。少し進むと下山道との分岐があり、そこから100mほど登り返して金山だ。軌跡が繋がった。

金山山頂
金山山頂

金山から来た道を引き返す。稜線上はだいぶんガスが多くなってきた。十二ヶ岳が雲で霞む。こちらから見ると丸い山容が海坊主の頭みたい。昔テレビ放送されていたまんが日本昔話にでてくる山がこんな感じだった。

霞の中の十二ヶ岳
霞の中の十二ヶ岳

先ほど怖かったロープ場を今度は登り返す。ちょっと離れて眺めると、結構ヤバそうに見える。岩にしがみつきながらなんとか登ってなんとか十二ヶ岳山頂に戻った。岩場怖い。

ロープ場
ロープ場

下山道もロープだらけ

山頂から少し東に戻ったところに桑留尾と書かれた分岐がある。下に直接降りられるルートだ。降りていくとひたすらロープ場。これでもかというほどロープが張ってある。ずっと岩を下るルートなので非常に助かった。

桑留尾へのルート
桑留尾へのルート

ロープ場を延々と降りるとようやく普通の登山道に。新緑が奇麗で癒される。

新緑が奇麗
新緑が奇麗

どんど降りていくと分岐に当たる。文化洞トンネル方面へ行くのが正解。さらに進んでいくと通学路という標識が現れる。このルートは昔通学路として利用されていたらしい。こんな道を根場まで毎日通うのは大変だ、などと思っているうちに登山口に到着。無事に戻れた。

文化洞トンネル分岐
文化洞トンネル分岐
旧根場通学路
旧根場通学路

今回のコースは比較的短くて累積標高も少ないので大したことないだろうと思っていたが、ロープ場だらけでかなり緊張を強いられたせいか結構疲れたが楽しい山行でした。今度は天気の良い日にまた来よう。

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