Nikon1 18.5mm f/1.8を中古で購入したのでレビューしてみる。
目次
Nikkor1 18.5mmf/1.8購入のきっかけ
結論から先に話をしますと、Nikkor118.5mmf/1.8を使ったNikon1は今までとは別物のようになりました。標準ズームにはないシャープな写りとボケ味。安くていいレンズですね。
Nikon1を購入以来ずっと使っていた標準ズームレンズNikkor1 10-30mmf3.5-5.6PDのAFが突然まともに動作しなくなり最後にはブラックアウト。絞りが開かなくなった模様。電動沈胴式銅鏡はしっかり動くけど、全く撮影できなくなってしまいました。
正直、Nikon1+標準ズームの出す画はあまり良くなかったので、このカメラはもういいか・・・とも思いましたが、これに代わるコンパクトなカメラは持っていないのでレンズを新調することにしました。
Nikon1のレンズは中古市場では数は少ないですが結構安い。標準ズームを再度購入も考えましたが、もうあの写りは飽きたので一番数が出回っていて評判も良い18.5mmf1.8を購入しました。
カメラのキタムラで並品を8600円くらいで買いましたが、現物は小キズがあるもののかなりキレイ。並品でも十分なものでした。
カメラのキタムラは現物を確認してから購入するか否か決められるので(購入しない場合運賃はかかりますが)良いかなと思いましたが並品のクオリティが思いの外高かったのでびっくりでした。これなら今後もキタムラで中古購入をしても良いなぁと思った次第です。
まあ、今回のレンズに関しては、どうせ登山でザックに付けて運用するのですぐに傷だらけになるのですが・・・。
10-30mmf3.5-5.6PDとの比較
サイズ
標準ズームレンズは電動沈胴式でパンケーキレンズと言えるほど小さいレンズでした。前玉もコンデジと同様の自動開閉シャッターがついており非常に運用しやすく便利。ズボンのポケットにもすっぽりと入れることができました。
それと比較して18.5mmf/1.8は全長が3割ほど長く、ズボンに入りはしますがすっぽりとは行きません。また、レンズキャップをする必要があるので、今までのようにかばんやポケットに手軽に入れて使うという運用がしにくくなりました。
サイズと取り回しの面ではいままでの標準ズームのほうが上。またズームレンズはフルサイズ換算で27〜85mmまでの画角をカバーできるので、便利なのは間違いなく標準ズームレンズの方でしょう。
使用感・写り
標準ズームレンズは中央こそそこそこ解像していましたが、周辺はイマイチ。全体的に何かもっさりした写りでした。また、樽型歪曲が酷くてしっかり補正が必要です。カメラ内の補正で対応できるのであまり気にする必要はないと思いますが。
18.5mmf/1.8は開放からしっかり解像してかなり気持ちが良い写りをします。周辺減光はそこそこしますがそれはレンズの味でもあり、必要であれば補正は簡単。所詮Nikon1だしなぁ・・・と思っていて正直期待をしていなかったのですが、評判通り良い写りでした。
開放で多少パープルフリンジが出ますが、画像処理で簡単に取れるので問題なし。寄れてそこそこボケるレンズなので使っていて楽しいですね。
開放から使えるレンズなのでシャッタースピードは稼げるのですが、このレンズには手ブレ補正がついていません。標準ズームレンズの手ブレ補正はカタログ値で3.5段となっていたと思うのですが、ワイド端辺りならSS1/10でも十分止まったので手持ちでの暗所撮影はこちらのほうが使いやすいと思います。
Nikon1はボディが小さいので、手持ちではボディを固定しづらく手ブレ補正がないとかなり厳しいです。18.5mmf/1.8ではSS1/50がやっとでそれ以下では手ブレを止めるのはかなり厳しいです。ファインダーが付いた普通の一眼カメラならもうちょっと頑張れるのですが。
それでも、2段分はシャッター速度を稼げますし、三脚などで固定すればISO感度を下げて高画質で撮影をすることもできるので、画角を除けば撮影の幅が広くなったと言えると思います。
実写レビュー
レビュー用に撮影をしに行ったわけではないのであまりいい例がありませんが、主に登山での使用感を書いておきたいと思います。
ボケ具合
登山中に目についた木のコブを撮影。絞りはF1.8。背景はそこそこボケています。Nikon1でF1.8はフルサイズ換算で概ねF5程度の被写界深度になります。被写界深度を稼ぎつつISO感度を下げられるので、センサーの小さいNikon1でもある程度ノイズを抑えることができますね。
このレンズはかなり寄ることができて、最短撮影距離が0.2mとかなり寄れます。最大投影倍率もフルサイズ換算で0.32倍とそこそこ大きく撮影できます。寄ればボケも大きくなり楽しめますね。
ボケ味は木の枝などをはややうるさくなりますが、基本的にはそこそこきれいにボケてくれます。
逆光耐性
オールドレンズのように派手にフレアやゴーストが出るわけではなくそこそこ抑えられていると思います。とはいえナノクリスタルコートを施したレンズのような鬼の逆光耐性はなく、そこそこゴーストが出ます。
でも値段から言えば許容範囲というかよく頑張って抑えてありますね。
光芒を出すにはF11くらいまで絞らないといけないようです。ダイヤモンド伯耆大山はF11で撮影しています。10-30mmPDではF11まで絞るとかなり小絞りボケが気になりましたが、18.5mmf/1.8ではそれほど気になりませんでした。
遠景撮影
遠景での解像感も十分。絞り開放からシャープに写りますね。登山中の撮影ではほとんどf1.8で撮影しておりました。黒富士からの富士山もf1.8で撮影しております。山の稜線に立つ鉄塔などもしっかり写っており、十分な写りをしております。
笹の登山道をf1.8で取りました。ピントは手前の笹。笹の葉がしっかり解像してきれいに写っています。奥の道はやんわりボケています。
このレンズは普段の街中スナップで使っても楽しく使えそうです。
夜間撮影
夜間撮影はNikon1の苦手な分野でした。標準ズームの10-30mmF3.5-5.6PDではISO3200〜6400まで上げる必要があり、SS30秒絞り開放で長秒露光をしてもあまり星が写らずノイズばかり。全然使えませんでした。
18.5mmf1.8だと2段明るくなるのでISO800で撮影することができます。これならある程度ノイズを抑えながら撮ることができます。
RAW現像をしてノイズをうまく抑えれば、星もしっかり写りますしそこそこ見られる写真を取ることができました。
下の富士山はF1.8、SS30秒、ISO800で撮影しRAW現像したものです。このレンズを使ってちょっとNikon1を見直しました。これならSNSやブログになら十分に使えますね。
富士山を撮影するZ6をNikon1J4+Nikkor1 18.5mmf/1.8で撮ってみました。湖面に星が写ってなかなかいいですね。F4くらいまで絞って2〜3分の長秒露光をすれば湖面にもピントが合っていい感じになったのでしょうが、レリーズが使えないので30秒までしか露光できないのが玉に瑕。まあ、そういう使い方をするカメラではないので仕方がないですね。
この日はふたご座流星群がピーク近くになる日だったので、湖畔には天体望遠鏡を空に向けている人などたくさんのカメラマンが三脚を立てて撮影をしていました。これもNikon1J4+Nikkor1 18.5mmf/1.8で撮影。
今やスマホ全盛期ですが、レンズ一本新調するだけで写りがガラッと変わるレンズ交換式のカメラはやっぱり楽しいですね。
Nikkor1 18.5mmf/1.8は安価でよく写る満足度の高いレンズでした。Nikon1はすでに絶版で中古市場でしか手に入りませんが、一番新しい機種のNikon1J5は18.5mmf/1.8と合わせて30,000円以下で購入できます。
同じ1インチセンサーを採用した同時期のSony RX100mark3が40,000円以上するので価格的にはかなり安いですね。
コンパクトで登山の荷物の邪魔にはならないので、山のお供にもちょうどよいのではないかと思います。