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一眼レフからミラーレスのニコンZ6へ乗り換えて感じたメリットとデメリット。

 
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長らく一眼レフ機のNikon D7200を使ってきましたが、思うところがありフルサイズのNikon Z6を購入。現在では基本的に登山にはZ6を持って登っています。Z6を購入して8ヶ月が経ち、ぼちぼち使い慣れてきた感があるので個人的にZ6に乗り換えて感じたメリット、デメリットについて書いておこうと思った次第です。

内容自体はZ6固有のメリットばかりではなく、ミラーレスカメラ全般に言える内容もあるので、現在APS-Cセンサーのレフ機を使っていてミラーレスに移行を考えている方の参考になればと思います。

Z6を導入するときのメーカー選びやファーストインプレッションについては以前投稿したページに記載しているので、気が向いたらこちらもご覧ください。

Nikon Z6にして感じたメリット 

ミラーレスはホントにピントが合わせやすい

Z6のEVF(電子ビューファインダー)はすごく写りが奇麗で収差なども見られない自然な感じで見ることが出来ます。ピント位置を拡大することが出来るので、ピントを追い込みたい時はホントに便利。また、ピントの合っている場所を色を付けて可視化してくれるピーキング機能もあるので、もう気分は無敵状態。マニュアルフォーカスのレンズをよく使うので非常に重宝しています。

ピントピーキング
ピントピーキング

D7200がメインだったころは、単焦点のマニュアルフォーカスレンズを解放F1.4やF2.0で撮ろうとすると、ファインダーではかなりピントを合わせるのがシビアで結構外していました。Z6だと格段に楽に合わせられますね。

オールドレンズを手ぶれ補正付きで使える

ミラーレスはマウントアダプターを使っていろいろなメーカーのレンズを使えます。そして、ニコンZ6,7やソニーα7シリーズは内蔵手ぶれ補正が付いているので、手ぶれ補正なしのレンズを使ってもボディ側で補正してくれます。大昔のオールドレンズも手ぶれ補正付きで使えるのです。ボディ内蔵手振れ補正は最高ですね。

キットレンズNikkor Z 24-70F4Sはすばらしい

スペック的には非常に地味なこのキットレンズ。なんで24-120にしてくれなかったのかと導入前は思ったものです。もともとTAMRONのSP24-70F2.8G2を持っていたのでレンズなしにしようかと思っていたのですが、Zマウントレンズが一本もないのも寂しいと思ったのでキットレンズ付に。結果的には大正解でしたね。

まずは写りがすばらしい。解放でも周辺減光はややあるものの、隅々までよく解像していて流れてしまっているようなところが見られない。TAMRONはAPS-C機のD7200で使っていても解放では端のほうは収差が出ていたし、左右で出具合も違っていました。でも、SP24-70F2.8G2もいいレンズですけどね。

しかもこのレンズは非常に軽量で沈胴式でコンパクト。敢えて24-70にしたのはケチったわけではなく(たぶん)、高画質と軽量コンパクトを両立させるためなのだな感じました。

Nikkor Z 24-70F4S(NIKON HPより引用)
Nikkor Z 24-70F4S(NIKON HPより引用)

このキットレンズは高性能レンズであるSライン。確かこのレンズは単体で購入すると定価が130,000円くらい。それがボディとセットで買うと5,6万円で買えちゃいます。ズームレンズを使う人ならセットで買っておいて絶対損しないレンズですよ。

ファインダー内で確認できるヒストグラム

ミラーレスはファインダーも電子式なので、当然いろいろな情報を表示させることができます。私は明度のヒストグラムを表示させているのですが、これがすごく便利。ヒストグラムを見ることで、露出の状態がグラフで一目瞭然。シャッター速度やISO感度を変更しながら白とびや黒潰れしない程度がわかるので非常に重宝しています。便利すぎる。

ヒストグラム
ヒストグラム

フルサイズはやっぱり高感度耐性が凄い

ニコンZ6を購入してD7200との違いを感じたのは高感度耐性。ISO感度を上げていった時のノイズのが明らかに少なくなりました。D7200ではISO800くらいからノイズが気になり始め、使ってもいいかなと思えるのはISO3200まで。これがZ6だとISO12800でもいいかなと思える写真が撮れちゃいます。感覚的に2段以上は違うかなと感じています。

SS 1/6 F4.0 ISO12800 手持ち撮影撮って出し
SS 1/6 F4.0 ISO12800 手持ち撮影撮って出し
 SS 1/20 F4.0 ISO25600 手持ち撮影撮って出し
SS 1/20 F4.0 ISO25600 手持ち撮影撮って出し
  SS 1/15 F4.0 ISO51200 手持ち撮影撮って出し
SS 1/15 F4.0 ISO51200 手持ち撮影撮って出し

もちろんそれなりにノイズはのっているのですが、気合を入れた作品撮りということでなければ許せるくらいで撮れます。まあ、許容できる閾値には個人差がありますが…。個人的にはブログで使ったりする分にはいいかなと思っています。

日中のISO感度を抑えられるシチュエーションではAPS-Cにそれほど歴然とした差はないと思っていますが、屋内などちょっとシャッタースピードを稼ぎたい時などはISO感度を遠慮なくあげられるのでいいですね。

チルト式液晶はやっぱり便利

レフ機でも今時のボディにはついてる機能ですが、D7200は液晶固定だったので、使いやすさに感激しています。

便利さで言えばバリアングルの方がよいですが、それでもローポジションやハイポジションでの撮影がすこぶる楽に。D7200ではローポジションでは寝っ転がって撮影ができる場所ならまだよいのですが、お山ではなかなかそんな良いところばかりではありません。基本的にカンでカメラの設定をして構図とともに何度か修正を繰りかえしながら撮影していました。

富士山にて
富士山にて

Z6がメインになってからは液晶画面が上下に向けられるようになったのでカンで撮らなくてもよくなりました。扱いやすくていいですね。

Nikon Z6でイマイチと思ったところ

逆にZ6でイマイチと感じたところももちろんあります。

電池の消耗が早い

分かっていたことなので常に予備バッテリーを持ち歩くようにしていますが、普段の登山では電源ON/OFFをこまめにして使えば概ね一日もちます。その日の撮影方法にもよりますが、一日の撮影枚数は500枚程度で30%~50%くらいは残っていますね。電源を落とさず、半押しタイマー(シャッターボタンを半押しすると、設定した時間で液晶パネルやファインダーが消灯する機能)で使っているとどんどん電池が減っていきます。レフ機のD7200は電源常時ON、半押しタイマーで使っていましたが一日で電池切れすることはほぼありません。1000枚くらいは楽に撮れると思います。

こまめに電源を切る作業自体は全く苦にならないのですが、ON/OFFの繰り返しでスイッチが壊れないかちょっと心配。

ファインダー視度調整つまみのロックが緩い

ファインダーの右側にある時計の竜頭のようなダイヤルがファインダー視度調整ダイヤルです。引っ張り出してからダイヤルを回して調整し、押し込んでLOCKする構造なのですが、引っ張り出すのが少し緩い感じです。やけにピントが合わせづらいと思ったら、視度調整ダイヤルが動いていたということがしばしばあります。何かの拍子にロックが外れてしまうことがあります。もう少しカチッと固めであればよいのですが。

視度調整ツマミ
視度調整ツマミ

マウントアダプターFTZはイマイチ

マウントアダプター自体はしっかりしているのですが、三脚穴の着いた下の出っ張りが邪魔。でっぱりが大きくて邪魔なうえにここに三脚プレートを付けているとマウントアダプターの取り外しが不能に。FマウントからZマウントにレンズ交換したい時などイチイチプレートを外さなければならない。

また、Dレンズ等モーターが内蔵されていないAFレンズはAFが動かないのでマニュアルレンズとして使用しなければなりません。非CPUレンズはExifに絞り値が残らないのでちょっと不便。また、手振れ補正付きのレンズを装着すると、常時手振れ補正が動いた状態になるので電池の消耗が心配。メニューから手振れOFFにするか、レンズのスイッチでOFFにすると止まるが、使うときは都度ONにしなければならないのでそんなことはしていられない。

DレンズのAFは電池の消耗やスペースの関係もあると思うが、非CPUのExifと手振れ補正については何とでもなったのではないのかと素人考えだがそう思える。

マウントアダプターFTZ
マウントアダプターFTZ

D7200やその他中級以上のFマウントレフ機はこれらの問題はなく普通に使える。結構値の張るマウントアダプターなのでもうちょっと機能があって欲しい。

写真を撮るのはレフ機のほうが楽しい

Z6を購入してからしばらくはほとんどレフ機を使うことがなくなったのですが、最近はD7200もまた使うようになりました。

Z6なら露出を失敗することも減るし、ノイズは乗りにくくて撮りやすい。失敗しにくくなるので写真の歩留まりも上がります。でも、その機能に慣れていくと写真を撮るときに露出をどのくらいにしたらいい感じになるかを以前ほど考えなくなってしまいがちに。露出は液晶を見ていればアンダー、オーバーはグラフでわかるし、大まかな撮影結果も表示されています。すごく便利なのですが撮ったぞ~感は結構スポイルされます。(それなら機能を使わなければよいのですが、あるものは使ってしまうのが人情…)

自分である程度思い描いた感じに調整するのがカメラの楽しみの一つ。そういう観点から見れば、レフ機の方が自分の感覚で露出を決めて (とは言っても露出計は参考にしますが) 撮った時に思ったような画が出てくれば満足感は高いですし、シャッターを切った時のメカニカルな感触が楽しい。というわけで、最近は綺麗に撮りたい時はZ6、カメラ遊びも兼ねたい時はD7200を持ち出すようになりました。

買ってよかったZ6

何でもいいところもあればイマイチなところもあるので、トータルで自分の使い方に合っているかというところが一番重要ですよね。

私の場合はマニュアルフォーカスで使うことが多く、D7200の高感度耐性にも不満があったのでZ6を買い足してとっても満足しております。

でも、フルサイズ機はレンズが高価なので欲しいものを揃えるのが大変です。70-200が欲しいのですがいつ買えるのやら…。

その点、APS-C機はレンズも比較的安価ですし(フルサイズと比べればですが)、写りも非常にいいです。最近のAPS-Cは高感度耐性も良くなっていますし、いいレンズも出てきていますので、趣味の範囲で使うにはAPS-Cがベストバランスなのではないかと最近は思えています。

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