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異世界に来たような迫力と感動 東北の百名山 安達太良山を登山しました

2020/05/03
 
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去る7月のある日、東北に行く機会を得たのでどの山に登ろうかと考えました。
東北には魅力的な山がたくさんあります。
鳥海山や月山、磐梯山等々数えればいくらでも出来てきそうです。
以前、盛岡にある牧草地から見た岩手山の山容を見て なんだあのすごく偉そうな山はなどと思ったものです。
皆さんご存知と通り、東北は雪が多いので、夏山登山の装備で山に入れる時期は短いです。
2000mを超えるような山では、アイゼンが完全に必要がなくなるのは6月末から7月になるのではないでしょうか。
10月~11月には雪に閉ざされてしまうと思いますので、一般的な方が登れるのは夏から秋にかけての3~4ケ月くらいになると思います。
この時期に東北に来られるなどとは願ってもないチャンス。

ということで、行動上都合の良いところにある山に登ろうと思い選んだのが安達太良山でした。

安達太良山。日本百名山の一つで・・・以外は何も知らない山でした。(福島県の登山愛好家の皆さんごめんなさい)
この山を選んだのは、高速道路沿いにあって交通の便が良いこと。標高が1700m程度の低く、登山道もしっかり整備されているようで登りやすいと思われたことです。
当初は岳温泉から登ってくろがね小屋を経由して、サクッと周回して降りようと思っておりましたが、コースを調べるうちにこの山が火山であることを知ったのでした(おいおい・・・)
火口外輪を歩くコースがあることを知り、当初と正反対にある沼尻登山口から周回をすることにしました。

コース概要

沼尻登山口は、スキー場の上にあります。未舗装の道を数キロ登ると広い駐車場にでます。50台は停められるのではないでしょうか。
道はところどころに深くえぐれた凸凹があります。普通車でなんとか登れますが、車高が低い車はあきらめた方がよいと思います。
この当日、登山口駐車場に着くと硫黄の臭いがあふれておりました。いかにも火山に来たという感じがしました。

コース地図

コースタイム

沼尻登山口⇒5分⇒白糸の滝展望台⇒20分⇒胎内コース分岐⇒84分⇒船明神山⇒12分⇒石筵分岐⇒12分⇒沼尻分岐⇒8分⇒安達太良山⇒9分⇒沼尻分岐⇒20分⇒鉄山⇒8分⇒鉄山避難小屋⇒26分⇒胎内岩⇒41分⇒沼尻鉱山跡⇒17分⇒白糸の滝展望台⇒5分⇒沼尻登山口

登山データ

出発時刻/高度: 04:20 / 1129m
到着時刻/高度: 09:41 / 1128m
合計時間: 5時間20分
合計距離: 12.6km
最高点の標高: 1693m
最低点の標高: 1084m
累積標高(上り): 900m
累積標高(下り): 930m
消費カロリー : 2345kcal
ログ : GARMIN62S
撮影 : Nikon1 J4 1NIKKOR10-30mmF3.5-5.6VR 1NIKKOR30-110mmF3.8-5.6VR

登山レポート

夜明けと共に登山開始。登り始めは樹林帯。山道も整備されており登りやすい道です。登り始めて5分程で展望台に到着。天候が曇っておりましたので、あまり周りに山は見えませんでしたが、うっすらと見える磐梯山と雲海を見ることが出来ました。
そのあとは、ところどころにちょっとした急登があるものの、比較的なだらかな登山道を進みました。
この登山道は動物の気配が強く、自分の周りでガサガサゴソゴソ草を分ける音がひっきりなしに聞こえていました。
猿が2頭、山道を横切った時はちょっと恐怖を覚えました。猿は熊やイノシシに次いで危険な動物だと思っておりますので。猿が横切ったところは足早に歩いて去りました。
猿を目撃したあと、空が赤く染まってきました。夜明けですね。

空が燃える

猿の目撃地点は比較的平坦なところでした。平坦な道を終えると急登の始まり。登っている最中に後ろを見返すと、森の向こうに雲海が見えました。なかなかいい景色なのですがあまり上手に撮れませんでした。

森と雲海

ここから40分程樹林帯を歩いていくと、現れました沼ノ平。
沼ノ平出現

真っ白い岸壁に囲まれた平らな火口。深い火口を見下ろす高度感。まるで映画で見る異星に来たような風景でした。壮大で大迫力の火口に圧倒されました。

まだ標高1600m程ですが、火山独特の強い硫黄のせいか森林限界を超えた景色になりました。

崖の縁を通る登山道。某有名ゲームソフトメーカーの人気タイトル、ファイ〇ル〇ァンタ〇ーに出てきそうな景色です。

この崖の縁には一応入ってはいけないようになっていました。

途中に沼もありましたが、生き物は見当たりませんでした。火山にある沼ですから、きっと硫黄が溶け込んでいて生物が住める状態ではないのでしょう。

この沼からの山道があちこちに道が出来ていてわかりにくかったです。正解は岩山の方へ登るのですが、印も少なく崖の方にも道が伸びているのでちょっと歩く方向を迷いました。
この後崖の上り下りを繰り返して安達太良山方面へ移動していきます。
石筵分岐までくると、安達太良山まで3kmという標識が現れます。ガレ場の対岸に安達太良山が見えるので、どう見ても3kmもありません。実際は1kmちょっとというところでした。ガレ場は浮石で滑りやすいので気を付けて進むと、10分ほどで山頂への分岐に到着。

ここはくろがね小屋から登ってきた登山者が沼ノ平を最初に見る地点です。外輪まで登ってきた先に広がる圧巻の火口に大歓声必至ですね。

さらに山頂方面へ大きなケルンに導かれながら10分程歩くと

安達太良山到着。しかし、この標識は山頂ではありません。真の山頂は後ろにそびえる乳首のような岩山。ここに登ると真の山頂です。

山頂はものすごい数の羽虫が飛び回っておりました。
このお山は登山口から羽虫が多く、山頂に着くまでずっと頭上を周回していました。その数、数十匹。立ち止まると顔の周りにブンブン飛び回るので気が狂いそうになります非常にうるさいです。虫よけは必須です。森林限界を超えてからは、虫を撒くためにたまにダッシュしていました。ダッシュでかなり虫から解放されるのですが、また違うところから現れた虫に集られ・・・の繰り返しでした。虫に追われて体力を消耗します。

山頂下から鉄山方面を眺める私。今回は三脚を持って行ったので自撮りをして遊んでいました。
ひざ元を横切る道がくろがね小屋から登ってくるルートです。

綺麗な形をしたお山ですね。山頂からの眺望はなかなかでした。晴れていれば、東の方に福島の街も見渡せたのではないでしょうか。
なかなかスケール感のある景色でした。

下山は鉄山、避難小屋経由で戻ります。結構ガレているので浮石での転倒に注意です。

鉄山へは稜線伝いに歩いていきます。

途中でくろがね小屋を眼下に見下ろせます。

鉄山山頂から見た安達太良山。遠くに見えますが、安達太良山から鉄山までは30分程でした。意外と近い。

いかにも火口際のような地形。

鉄山避難小屋から先は、ハイマツの中をしばらく歩き、胎内岩を目指します。
胎内岩をくぐると、岩場を降りる道となります。ガレているので転倒注意です。

しばらく降りると、石で進入禁止の印がしてあるところに到着します。地図ではここから下の硫黄川へ降りるようになっているのですが、どうも道が見当たりません。仕方なしに、斜面を降りる覚悟をしたところ背中側に道があることに気が付きました。
この石の印に当たったら背後に道がありますので心してくださいませ。

この下からは落石が多いようで、注意喚起の看板が立っていました。また、沼ノ平へのルートは進入禁止になっております。以前火山性ガスで死亡事故があったらしく、それ以来入れないそうです。これだけ硫黄の匂いがきつかったら、有毒ガスが噴出していても不思議ではありませんね。
湯の華採掘場後まで来ると、沼尻登山口の方向を示す看板が出てきます。これは登りであった胎内コース分岐へ行く道と思って進むと、採掘場敷地内は通行止め。行ける道を進むと温泉パイプラインの整備用橋に。足場が20センチほどしかなく、高さは5,6mはありそうな危険な道を歩かされました。この看板を無視して直進すると、岩に大きく✖印があったのでやむなく看板通りに進んだのですが、印も無視して進むのが正解でした。


この看板は信用しないようにした方がよいですね。結局、危険なパイプライン際を通って、直進山道に合流しました。おそらく、採掘場跡内の立ち入り禁止標識がこの看板よりあとに作られて、上の胎内分岐へ行くルートが閉ざされたままこの看板だけ残っているのではないかと思います。危ないから処分してほしいところです。

少し道がわかりにくいところもありましたが、さすがに百名山の一つだけあって見ごたえのある山でした。

安達太良山。

ルートもいろいろありますし、樹林帯に岩場にガレ場。火口の絶景に硫黄の臭い。多彩な登山道に、大地の鼓動を感じられるような沼ノ平の絶景。素晴らしい山でした。

 

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