センサーサイズによってどう違う?自分に合ったカメラ選び。
カメラのイメージセンサーって?
センサーサイズはカメラの性格を決める大きな要因
カメラを選ぶときの重要なファクターの一つとしてCMOSセンサーがあります。デジタルカメラはセンサーで受けた光をデジタルデータに変換して撮像するので、センサーの性能は非常に重要です。
センサーのスペックでよく言われている画素数ですが、画素数が多い方が画質が良くなるというわけではありません。画素数とはセンサーの受光部のピッチをあらわした数字です。多い方がより高精細な画像が撮れますが、画素のピッチが狭くなると1画素あたりの受光面積が狭くなるので、光がとりこみにくくなり画質が劣化します。
よって、センサーの性能は同じ画素数であればサイズが大きい方が1画素あたりの面積が大きくなり画質的に有利になります。また、センサーサイズが大きい方が画素数を多くしても1画素あたりの面積を確保できるので画質が劣化しづらくなりますね。
カメラで撮れる写真の画質については、CMOSセンサーのみで決まるわけではなく、センサーで取りこんだ光を処理する画像処理エンジンやレンズの性能も大きく影響しますので、大きい方が画質がよいとは一概に言えませんが、有利になるのは間違いありません。
しかし、センサーサイズが大きい方が偉いというわけではありません。センサーサイズが大きいとカメラやレンズのサイズも大きく、重くなってしまいます。画質より取り回しのしやすさの方が重要になる場合もありますよね。その場合はセンサーサイズは小さい方が有利です。使用目的にあったものを選ぶことが重要ですね。
センサーの種類
世の中にはいろいろなサイズのCMOSセンサーがありますが、カメラでよく使われているのは次の4種類です。
- フルサイズ
- APS-C
- マイクロフォーサーズ
- 1インチ
サイズの比較するを下の図のようになります。比較用にiphone11(26mmレンズ)のセンサーも入れてみました。iphone11のセンサーはスマホでは大きい方ですが、カメラと比べるとずいぶん小さいですね。
フルサイズ
フルサイズセンサーは前述したように高画質な写真を撮影するのに適しています。また、画素数を増やしても画素ピッチのサイズを確保しやすいので高画素化しやすいです。現在ではSonyのα7ⅣRの6000万画素などというすごい画素数のセンサーもあります。高画素化するとより精細な写真が撮れる半面、低照度やブレに弱くなり運用が難しくなります。画像のファイルサイズも大きくなり、RAW現像をするには高性能なPCが必要になります。カメラだけでなく周辺機器も考慮して揃える必要があります。
Nikon Z6やSony α7Ⅲなどは2400万画素程度に抑えたセンサーと搭載しており、低照度での撮影に有利です。屋内での撮影なども意外と暗く、シャッタースピードを稼ぐのにISO感度を上げても画質劣化の少ないのでオールラウンドで使えるカメラですね。
フルサイズ機は高画質とトレードオフで、ボディ、レンズ共に大きく重くなり機動力という面では不利になります。値段も高く高コストで趣味で使うにはきついカメラシステムになります。
APS-C
フルサイズより少し小さいセンサー。大きさはフルサイズ比1/1.5(Cannonは1/1.6)になります。
ある程度の画質を確保しながらもコンパクトなカメラを設計できるバランスの良いセンサーです。エントリー機から中級機に多く採用されています。レンズもフルサイズと比べてかなり小さく作ることが出来るので、携行性と画質のバランスの取れたカメラシステムになります。最近のAPS-Cミラーレスカメラは後述するマイクロフォーサーズ機並みにコンパクトになっているので、携行しやすくなっていますね。
カメラボディ、レンズ共にフルサイズのものと比較してかなり安価なので、導入しやすくなっています。CannonやNikonのレフ機なら中古市場にたくさんレンズがあるので低コストでレンズを揃えられますね。
個人的に今APS-C機を購入するならNikon Z50のレンズキットがいいと思います。レンズと併せて非常にコンパクトですし、とっても使いやすいカメラです。
あとAPS-Cセンサーを搭載したコンデジも少ないですが存在します。RICOHのGRはその代表ですね。ズームは出来ないですがポケットサイズで高画質な撮影が出来るので、使い勝手がよさそうですね。
マイクロフォーサーズ
OLYMPUSとPanasonicが採用している小型のセンサー。大きさはフルサイズ比1/2になります。
両社とも機動性を重視したコンパクトなカメラシステムを構築しています。センサーサイズが小さいのでカメラボディ、レンズ共に非常にコンパクト。特にOLYMPUSは抜群の防塵防滴性能や超強力な手振れ補正機能を搭載して、アウトドアフィールドでの運用に最適化されたモデルがあります。
センサーサイズが小さい分画素数を抑えたモデルが多く、低照度下でのノイズ耐性は思ったほど低くありません。
個人的には登山で使うにはOLYMPUSのEM-D EM-5 MarkⅢなどは一番最適なのではないかと思っております。Panasonic Lumix G99もよさそうですね。
1インチ
Sonyの高級コンデジRXシリーズやCannonのPowerShot Gシリーズ、今や絶版となったNikon1シリーズに搭載されているセンサー。サイズはフルサイズ比1/2.7。
コンデジのサイズに収められる大型センサーというポジション。センサーの画質では不利ですが、通常のコンデジやスマホと比べるとかなりの高画質。SonyRXシリーズは明るい高性能レンズと併せて高画質を確保しています。
スマホの画質では満足できなくなってきたけど、ごついカメラは持ち歩きたくないという人にはうってつけのカメラになります。
Nikon1は当時最速のカメラとしてAF・AE固定で60フレーム/秒や動画で1200fpsなどというモードがありました(ほとんど使いませんが)。また、コンパクトなセンサーを生かした超コンパクトな長望遠レンズなどもありましたね…。
センサーは大きければよいというわけではありません。自分の用途や予算に合わせて選びたいですね。
手持ちのカメラでセンサーサイズによる違いをテストしてみました。ISO感度毎の画質と被写界深度がどのくらい違うのかを試しています。テスト結果は下のリンクへ