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仙丈ケ岳へ紅葉を求めて日帰り登山 北沢峠より

2020/05/23
 
仙丈ケ岳タイトル
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高山の紅葉を見に南アルプスの仙丈ケ岳へ行ってきました。
仙丈ヶ岳は南アルプス最北部にある標高3,033mの山で日本百名山の一座です。なだらかな山容から南アルプスの女王などと呼ばれております。
登山道はいくつかあるのですが、北沢峠から登る道が一般的です。北沢峠からの標高差は1,000m程ありますが、全体的になだらかな登山道で危険なところも少なく非常に登りやすいので、登山初心者の方が南アルプスデビューをするのに最適な山だと思っております。
森林限界を超えてからの眺望も素晴らしく、ハイマツに覆われた山肌、雄大なカール、周囲に見える名山等々ついつい足を止めてカメラのシャッターを切ってしまう絶景が広がっております。富士山、北岳、間ノ岳の日本高山No.1,2,3が並んで見えるのはこの仙丈ケ岳だけです。
2,000m前後の山に登り慣れてきたら、無雪期の仙丈ケ岳に是非登ってみてもらいたいですね。

富士山、北岳、間ノ岳
富士山、北岳、間ノ岳

計画

タイムスケジュール

今回は日帰りで計画。北沢峠から大滝の頭、小仙丈ケ岳を経由して仙丈ケ岳へ。時間に余裕があれば大仙丈ケ岳まで足を伸ばしてから仙丈小屋・馬の背ヒュッテを経由して大滝の頭へ戻り、登ってきた道を下って北沢峠へ戻るというスケジュールを組みました。
北沢峠からのルートとしては、大平山荘から馬の背ヒュッテを経由して沢を登ってくるルートや、大滝の頭から馬の背ヒュッテを経由するルートもあります。これらのルートでは沢沿いの紅葉や、藪沢カールでハイマツに混じる紅葉を楽しむことが出来ます。
一方、小仙丈ケ岳を経由するルートは大滝の頭から少し登ると森林限界を越え、稜線からの絶景を楽しむことが出来ます。
今回は午前中の雲が少ないうちに稜線に出て森林限界超えの景色を眺めたかったので、小仙丈ケ岳を経由で登りました。
今回の標準タイムはこんな感じです。所々休憩を入れて仙丈ヶ岳の先にある大仙丈ケ岳まで足を伸ばすと16:00発広河原行き最終便のバスに乗れません。11:00までに仙丈ケ岳山頂に到着できれば大仙丈ケ岳まで行くことにしました。
できれば最終便のバスではなくひとつ前の13:30に乗りたいですが、だいぶん巻かなければいけませんね。

計画時間

  • 【往路】北沢峠7:30⇒9:30大滝の頭9:40⇒10:40小仙丈ケ岳10:50⇒12:10仙丈ケ岳12:25
  • 【寄り道】仙丈ケ岳12:25⇒13:00大仙丈ケ岳13:10⇒13:45仙丈ケ岳
  • 【下り】仙丈ケ岳13:45⇒14:10仙丈小屋14:15⇒15:00馬の背ヒュッテ15:00⇒15:35大滝の頭15:35⇒16:55北沢峠

北沢峠までのアクセス

北沢峠
北沢峠

甲府駅⇒芦安⇒広河原経由⇒北沢峠

公共交通機関を乗り継いで来られる方は、甲府駅からバスで広河原まで来ることが出来ます。所要時間は約2時間ほどです。
自家用車の方は芦安からバスになります。芦安の先にある夜叉神以降は一般車両は通行禁止になっております。夜叉神は鳳凰三山へ登る方が利用される駐車場がありますが、キャパが少なく数十台しか停まれません。芦安はたくさんの駐車場が用意されていておそらく200台程度はとまれるのではないかと思います。また、広河原行きのバスは夜叉神からは乗れません。広河原から芦安への帰り便は夜叉神も停車しますので、鳳凰三山を縦走して広河原に降りた人がバスで戻るという事は可能です。
芦安からはバスの便も多く、他にジャンボタクシーもありますので広河原へのアクセスの拠点となっております。温泉地でもありますので、下山後には汗を流すことも出来ます。
今回は前日の23:00過ぎに芦安に到着するもどこの駐車場も満車。仕方がないので駐車場敷地内の邪魔にならない隅に無理矢理駐車をして事なきを得ました。後から来られた車もたくさんおりましたが停められたのかな。遠方のナンバーばかりでしたが。

2020年5月23日追記

昨年の台風19号による被害のため、崩落により広河原⇒北沢峠間が通行できない状況となっております。よって、北沢峠へのバスでのアクセスは仙流荘からのみとなります。

また、2020年の芦安・奈良田から広河原へのバスによるアクセスは7月23日から11月3日の約3か月間となりました。コロナウイルスの影響で北岳山荘などの山小屋の営業開始を7月23日に遅らせたためだそうです。詳しくは下記へ

芦安駐車場

奈良田⇒広河原経由⇒北沢峠

公共交通機関を乗り継いで来られる方は、JR身延駅から奈良田温泉行きのバスに。奈良田温泉から広河原行きのバスに乗り継ぎます。芦安と違い早朝からの乗り継ぎは出来ないので、日帰り登山を考えている方は芦安から広河原へ入ることをお勧めします。
自家用車で奈良田まで来られる方は休日であれば5:30からバスがありますので、芦安から入るのとさほど遜色なく移動できます。芦安と比べると便数が少ないので、奈良田の方が近い等でなければ芦安から入る方が便利ですね。
蛇足ですが、奈良田温泉の泉質は素晴らしくヌルヌル系の泉質でお肌すべすべになります。個人的には芦安温泉より圧倒的にお湯はいいので、下山後の温泉も楽しみという方は奈良田も選択肢に入れるのもいいかもしれません。

2020年5月23日追記

また、2020年の芦安・奈良田から広河原へのバスによるアクセスは7月23日から11月3日の約3か月間となりました。コロナウイルスの影響で北岳山荘などの山小屋の営業開始を7月23日に遅らせたためだそうです。詳しくは下記へ

奈良田バス停

仙流荘⇒北沢峠

2020年5月23日現在、新型コロナウイルス感染防止のため令和2年は全面運休となりました。

北沢峠へのアクセスでもっともポピュラーな仙流荘からバス。往復で2,860円で済むのがよいですね。芦安からですと往復で4,260円かかりますので、交通費がだいぶん違います。
家からは仙流荘へのアクセスが悪いので行かないのですが、長野県以西から来られる方はこちらから入る方がいいですね。
一日6便ありますし、運行時間も便利な時間になっておりますので、北沢峠へのアクセスには最適です。
仙流荘へのアクセスはJRの駅からバスがあります。詳しくはこちらでご確認ください。

仙流荘戸台登山口駐車場

携帯電話の電波

山の中では意外と電波が入ります。特に山頂付近はきちんと入るようで、通話をしている人もちらほら。安心感がありますね。
私はIIJ(docomo系MVNO)のSIMを利用しておりますが、北沢峠では電波が入らなかったような気がします。

コース

ルート地図

ルートタイム(休憩時間除く)

【往路】 山行時間:177分

北沢峠⇒59分⇒藪沢分岐(大滝の頭)⇒60分⇒小仙丈ヶ岳⇒36分⇒仙丈小屋分岐⇒22分⇒仙丈ヶ岳

【寄り道】 山行時間:47分

仙丈ヶ岳⇒22分⇒大仙丈ヶ岳⇒25分⇒仙丈ヶ岳

【復路】 山行時間:110分

仙丈ヶ岳⇒7分⇒地蔵尾根合流⇒6分⇒仙丈小屋⇒25分⇒丹渓新道合流⇒4分⇒馬の背ヒュッテ⇒2分⇒藪沢小屋分岐⇒5分⇒薮沢小屋⇒17分⇒藪沢分岐(大滝の頭)⇒44分⇒北沢峠

ルートデータ

出発時刻/高度: 07:00 / 2062m
到着時刻/高度: 13:25 / 2060m
合計時間: 6時間24分
合計距離: 11.87km
最高点の標高: 3002m
最低点の標高: 2059m
累積標高(上り): 1299m
累積標高(下り): 1281m
荷物重量 : MAX10.5kg
消費カロリー : 3,760kcal
消費水分 : 1.2l
摂取カロリー : 約1080kcal

持ち物

ザック ストック 登山靴 手袋 帽子 行動食(カロリーメイト6本 ゼリー×1個) 飲料水2.3L(600mlペットボトル×3 500mlアクエリアス×1) 救急セット ヘッドライト 懐中電灯 予備電池(GPS用3セット 懐中電灯用1セット ヘッドライト用3セット) GPS 熊鈴 コンパス 地図 時計 携帯 財布 保険証 筆記用具 一眼カメラ ミラーレス一眼(予備)ジオライン ズボン 登山靴下 予備紐 ライター ビバークシート 防寒着 カッパ ウインドブレーカー ソフトシェル チェーンスパイク

登山レポート

北沢峠⇒小仙丈ケ岳

登山口のある北沢峠は、仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳への玄関口。どちらの山に登るのも一番登りやすいルートになっております。
仙丈ケ岳は昨年に続いて2度目。ちょうど昨年と同じ日に登ることに。昨年は小仙丈ケ岳手前まで雨の中を歩きましたが今年は快晴。3連休の中日という事もあってたくさんの方が来られていました。
北沢峠トイレの左隣に登山口があり、皆さん続々と登って行かれました。小仙丈ケ岳までのコースは取り立てて気を付けるところはなく、道も明瞭で緩やかな登山道をひたすら登ります。

北沢峠仙丈ケ岳登山口
北沢峠仙丈ケ岳登山口

一時間程歩くと5合目の藪沢分岐に到着。ここまでのコースは樹林帯の中ですが、ところどころで甲斐駒ヶ岳や栗沢山、アサヨ峰を見ることが出来、退屈はしない山道です。

栗沢山とアサヨ峰
栗沢山とアサヨ峰

6合目で森林限界を超え一気に視界が開けます。周りを囲む甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山、北岳などの百名山を眺めながらハイマツの中を登っていきます。赤く染まるナナカマドが実をつけておりましたが葉がすでに枯れてしまっており見ごろは少し過ぎてしまっていたようでした。昨年同日に登った時はまだ赤く染まりきっておらず少し早い感じでしたので、今年は秋の進行がだいぶん早い感じがしますね。
5合目から小仙丈ケ岳までは一時間程の道のりでした。

甲斐駒ヶ岳
甲斐駒ヶ岳
紅葉する山
紅葉する山
小仙丈ケ岳への稜線
小仙丈ケ岳への稜線
鋸岳
鋸岳

小仙丈ケ岳からは富士山、北岳、間ノ岳の日本高山ナンバー1、2,3が横並びに見えます。仙丈ケ岳でしか見られない風景ですのでしっかりカメラに収めておきましょう。

小仙丈ケ岳⇒仙丈ケ岳

小仙丈ケ岳からは稜線を歩くルートになります。少し進むと岩場を降りるルートになります。仙丈ケ岳へのルートの核心部です。とは言っても特に危険なところでもなく、足元に注意して降りれば全く問題ないところです。小仙丈カールを覆うハイマツの緑の中に生える紅葉が美しく、また右手には紅葉に包まれる馬の背を眺めながら歩くコースです。美しい景色に疲れも忘れますね。

小仙丈カール
小仙丈カール

仙丈小屋分岐まで来れば山頂まであと一息。ほぼ水平に歩いていく道になるので、仙丈小屋がある藪沢カール眺めながら歩いていきます。振り返ると甲斐駒ヶ岳や栗沢山、アサヨ峰、その後ろに雲海に浮かぶ奥秩父の山々が見えます。

小仙丈を振り返る
小仙丈を振り返る

徐々に近づいてくる山頂。山頂にはすでにたくさんの人が休んでいて大渋滞しておりました。そこに山頂を目指す人がさらに登っていくので、山頂に到着すると腰を下ろす場所もないくらい人が多い。山頂標識の前では記念撮影をする人たちの行列ができておりました。さすがにちょっと人が多すぎでした^^;)

渋滞する山頂
渋滞する山頂

山頂標識の行列に並んで一応記念写真を撮ると少し離れたところで休憩。小仙丈ケ岳から約一時間の道のりでした。北沢峠から山頂まで概ね3時間程度でした。

仙丈ケ岳⇔大仙丈ケ岳

大仙丈ケ岳へのルートは仙塩尾根と呼ばれる稜線の山道の入り口です。はるか遠くにある塩見岳まで続く長大なルートで南アルプスを縦走する方が歩かれます。
こちらのルートは先ほどまでの大混雑とは打って変わってほとんど人がいませんでした。
西側が断崖絶壁。東側には大仙丈カールが広がり、その先には北岳、間ノ岳がそびえております。大仙丈カールの下には沢が流れているのですが、相当な標高差があるためかやや現実感がなく、まるでジオラマでも見ているように感じられました。
大仙丈ケ岳山頂までは22分で到着。ルートはザレ場のある岩場で、西側の絶壁へ滑落しないようにやや気を付けないといけないと思うところが数カ所ありましたが、基本的には歩きやすいルートでした。
山頂に到着すると、山ガールの4人組とソロっぽい男性が3人のみ。男性2名はそのまま仙塩尾根へ歩いて行ってしまいました。
少しの時間、山頂で自撮りしたり景色を眺める等静かな時を過ごし、また仙丈ケ岳へ引き返しました。

大仙丈ケ岳
大仙丈ケ岳

仙丈ケ岳⇒馬の背ヒュッテ⇒藪沢分岐⇒北沢峠

下山は仙丈小屋、馬の背ヒュッテ、藪沢小屋を経由して藪沢分岐に戻り北沢峠へ下山しました。
仙丈小屋では水が補給でき、小屋から少し降りたところに水場があります。冷蔵庫で冷やしていたように冷たい美味しい水です。南アルプスは水が豊富でいいですね。

仙丈小屋の見える風景
仙丈小屋の見える風景

仙丈小屋から藪沢カールを下る道はハイマツの中にナナカマド等紅葉する樹木が入り混じる山道。しばらく降りてから振り返ると、藪沢カールを緑やオレンジに染める木々が美しく思わず見とれてしまう光景です。高山の紅葉は下界のカエデやモミジの紅葉とはまた違った美しさがありますね。

藪沢カール
藪沢カール

仙丈小屋から30分ほどで馬の背ヒュッテに到着。そのまま降りていくとすぐに藪沢小屋分岐があります。沢を下っても北沢峠へ戻ることは出来ますが、こちらのコースは昨年歩いたので今年は藪沢小屋を経由して戻ることにしました。
藪沢小屋から先は何度か小さな渡渉がありましたがあまりアップダウンもなく藪沢分岐に到着。馬の背ヒュッテから25分ほどでした。
ここからの下り道は、小仙丈ケ岳ルートから降りてきた人と合流するので一気に人が増え大渋滞でした。ノロノロ動いては止まってといった感じでなかなか降りられず、2合目に着くまでずっとこのペースでの下山を強いられ、周りの人もため息をついておりました。私はバスの時間に間に合わなくなるのでかなり焦りましたが、2合目で渋滞解消してからは速足&走って下山。何とかバスの出発5分前に北沢峠に降りることが出来、バスに乗ることが出来ました。
人が多すぎた山行でしたが、快晴の南アルプスを満喫したよい一日を過ごせました。

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