富士山の有名な撮影地。 新道峠に天の川を撮りに行ってみた
新道峠とは
山梨県の御坂山塊にある峠。御坂の主峰黒岳(日本三百名山)から稜線を西に小一時間歩いたところにある峠です。富士山の手前に眼下に河口湖と富士吉田の街が見渡せる絶好の展望地。雲海も発生しやすい場所で、富士吉田の街灯りに照らされる雲海に浮かぶ富士山などの写真もよく見かけますね。
夜明け前の新道峠へ
2020年3月7日。AM3:50。新道峠第二展望所に到着。新道峠から1分ほど東に歩くと第二展望所。さらに5分ほど歩くと第一展望所がある。第一の方が高度が高く、三脚を立てられる場所も多いので、多くの人はおそらく第一に行くのだと思う。
見える景色は大きくは変わらない(町の見え方が違うが)ので誰もいない第二展望所で撮影することにした。
この日は月齢的には天の川の撮影には適していないけど、AM4:00過ぎには月は沈むので、明け方まで天の川を撮ることが出来ると思ってここまで足を運びました。
持って行ったレンズは3本
- TAMRON SP24-70F/2.8Di VC USD G2
- Ai Nikkor 50mm F1.4S
- Ai Nikkor 28mm F2.8S
明るい広角レンズは持っていないので、TAMRONの標準ズームで代用。今度発売されるNikkor Z 20mmF1.8が欲しくなります。
とりあえず焦点距離24mm、SS30秒、絞りF2.8、ISO3200で撮ってみたところ、街灯りが真っ白に。天の川は街灯りが白く空を照らす中にちゃんと浮かび上がっているので、真っ暗だったら綺麗に出ただろうなぁ。ハーフフィルタでもあったらいいのかもしれないけど、とりあえず街灯りと天の川の両方がほどほどに写る妥協点を探す。
星は結構動きが早いので、長く露光していると星の形が点にならない。焦点距離が短ければ星が伸びているのが目立ちにくいけど、24mmくらいならせいぜい露光時間は20秒くらいに抑えたい。
焦点距離24mm、SS15秒、絞りF2.8、ISO1600とし、2段分暗く撮影。
辛うじて天の川が写りました。うっすらと雲がかかった街灯りがいい感じです。天の川はカットして街をメインに撮ってみました。
焦点距離32mm、SS15秒、絞りF4.0、ISO3200。星はあまり関係ない構図なのでISO1600、SS30秒の方がよかったかな。少し絞ったのは、解放より一段絞った方がシャープに写る(気持ちですが)ため。
空が明るくなるにつれて、東にあった雲がどんどん膨らんできて富士山を覆い隠していきました。せめて日の出までもってくれ…。写真は焦点距離36mm、SS30秒、絞りF4.0、ISO400。街灯りのキラキラと流れる雲を意識して眺めの露光時間で撮影。
そして願いもむなしく、富士山は雲の中に消えていきました…。富士山のモルゲンロートは残念ながら見ることが出来ませんでした。天気予報は晴れだったのになぁ…。
レンズをAi Nikkor 50mm F1.4Sに変更。焦点距離50mm、SS8秒、絞りF4.0、ISO100で撮影。
このあと日の出の時間が過ぎるまで雲が晴れる事を祈って待ち続けましたが残念ながら富士山は現れず。主峰黒岳をピークを踏んで帰ることにしました。
Ai Nikkor 50mm F1.4Sは、お散歩スナップ用ですが、最近は登山道を歩くときも結構使っています。 解放で撮ると解像が落ちてふわっとした写りに。周辺減光をして白色を移すと派手にパープルフリンジが出ます。解放ではまともには使えませんが、それが味にもなって意外と気に入っております。写真は絞りF1.4解放で撮っています。
黒岳山頂から少し南に行くと富士山の展望地があります。ここも河口湖と富士山が綺麗に見れる場所として人気ですね。ちょうど雲が切れて富士山が姿を現してくれました。これがこの日見た最後の富士山です。この後、車で帰路に着いた時も完全に雲に隠れてしまっておりました。
Ai Nikkor 50mm F1.4S 焦点距離50mm、SS1/1000、絞りF4.0(5.6かも…)、ISO100。電子接点のないオールドレンズなのでEXIFに絞り値が残らないのが不便。Fマウント機ならちゃんと残るのになぁ。
このあと、黒岳の北側から降りてスズラン群生地駐車場へ戻りました。歩いている時間より停まっている時間の方がずっと長い山行でした。
新道峠へのアクセス
新道峠は直下まで舗装された林道が通っていますので、車で行くことが出来ます。ただし冬季は閉鎖されているのでスズラン群生地の駐車場に車を停めて登らなければいけません。閉鎖されたゲートに車を置くというのも手ですが…。
スズラン群生地駐車場からなら小一時間。ゲートからなら40分くらいで新道峠に着けると思います。冬季は林道が凍っているのでチェーンスパイク等があった方がいいですね。この日も凍っているところが多くありましたが、滑り止めなしで何とか歩けました。
スズラン群生地はイノシシ除けの電柵が遊歩道を塞いでいるので、誤って足を引っかけると危険です。十分に注意して歩くようにしてください。林道を通って向かえばその心配はありません。また、林道は落石が結構あるようでこの日は道の真ん中に巨大な岩が転がっていました。
こんなのが落ちてきたらひとたまりもない。気を付けなければ…。
林道が開通すれば峠直下まで車で行けますが、駐車場は数台しか停めるスペースはありません。路駐するほど道幅も広くないので早い者勝ちでしょうか。
駐車場から峠までは5分もかかりません。重い三脚を担いで来ることもできますね。
スズラン群生地駐車場
駐車場はかなり広いので、スズランの咲く時期でなければ駐車に困ることはないでしょう。見た感じは50台くらいはとまれそうな駐車場です。100台くらいとまれるかな。
割と手軽に行ける新道峠ですが、夜間歩けば鹿等の野生動物によく遭遇します。熊も生息している地域ですので、熊鈴を使う等くれぐれも用心をしてください。