塩見岳 日帰り登山のきつい百名山 コースタイム15時間のロングコースに挑戦
目次
塩見岳とは
南アルプス山脈の中央に位置する標高3052mの山。日本百名山の一つで、山頂が西峰と東峰の二つに分かれている双耳峰です。
三角点は低い方の西峰に設置されており、公式では標高3047mの山となります。
山頂からは北側には白峰三山や仙塩尾根が伸びる先にある仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳。東側には蝙蝠岳の向こうに富士山と駿河湾が見渡せます。南を見ると荒川岳や赤石岳が見渡せ、まさの南アルプスの中心にいることを実感できる絶景の山です。
スタート地点の鳥倉ゲートから山頂まで標準タイムで15時間と、アプローチが非常に長いので健脚向けの山となります。
ただし、コース上には山小屋が二件あるので利用すれば登頂は難しくない。それでも結構タフなコースであることにはちがいないですが。
山小屋は三伏峠にある三伏山峠小屋と塩見岳山頂直下にある塩見小屋。三伏峠小屋にはテン場もあるのでテント泊での塩見岳登山のベース基地となります。
塩見小屋からは山頂まで1時間ほどで登れるので、山頂からのご来光を拝むのであればここでの宿泊が最適。
コース案内
ルート地図
ルート説明
鳥倉駐車場からスタート。鳥倉登山口までは舗装された林道歩きです。
鳥倉登山口から登山道となります。三伏峠小屋までの標高差は800mでコースは明瞭。小屋までの距離指標となる標識が1/10単位で設置されております。山小屋に近づいていくのが実感できて精神衛生上もこの標識はとてもいいですね。
三伏峠小屋から権右衛門山トラバース路まではなだらかな上り下りを繰り返す登山道です。三伏山で一旦森林限界を越えます。三伏山山頂と前後のハイマツ帯の登山道からは素晴らしい眺望が得られます。
ハイマツ帯の登山道は短く、すぐに樹林帯歩きとなりますが、途中の覗き岩や本谷山など所々で眺望が得られます。
権右衛門山を越えると塩見小屋まで40分の看板が現れます。この辺りから塩見小屋まで徐々に急登になっていきます。
塩見小屋手前で森林限界を越えて、白峰三山や仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、北アルプス、中央アルプスなどが見渡せるようになります。
塩見小屋からハイマツ帯を進んでいくと岩稜帯に。ガレた急登で落石が発生しやすいので、石を落とさないように注意が必要です。ヘルメットは必携だと思います。
上り詰めると西峰に到着します。三角点のある西峰から最高峰の東峰までは5分程度です。
コースデータ
- コース距離 26.4km
- 標準コースタイム 約15時間
- 累積標高登り 2830m
- 累積標高下り 2830m
- 最高地点標高 3052m
- 最低地点標高 1666m
コースタイム(管理人がかかった時間)
往路 6時間24分(休憩含まず)
鳥倉駐車場⇒ 42分 ⇒鳥倉登山口⇒ 130分 ⇒三伏峠小屋⇒ 20分 ⇒三伏山⇒ 38分 ⇒本谷山⇒ 82分 ⇒塩見小屋⇒ 69分 ⇒塩見岳西峰⇒ 3分 ⇒塩見岳東峰
復路 4時間42分(休憩含まず)
塩見岳東峰⇒ 3分 ⇒塩見岳西峰⇒ 42分 ⇒塩見小屋⇒ 70分 ⇒本谷山⇒ 35分 ⇒三伏山⇒ 12分 ⇒三伏峠小屋⇒ 80分 ⇒鳥倉登山口⇒ 40分 ⇒鳥倉駐車場
アクセス
国道152号線を走り、大鹿村市街地から鳥倉へ登る林道に入ります。昔ながらの狭い住宅地を抜け、細い林道を登っていきます。国道152号線から駐車場まで約16km。駐車場までしっかり舗装されてはいますが、寂しく細い林道を延々と登っていくので不安になりますが、頑張って車を走らせましょう。
駐車場は手前の第二駐車場と、ゲート側の第一駐車場があります。第一駐車場で30〜40台くらいですが、スペースが狭いので皆さん結構無理して車をとめます。
第二駐車場は第一から1kmくらい手前になるので、なるべく早く行って第一駐車場にとめたいところです。
この日は私は第一駐車場にとめることができましたが、日曜日の未明、AM1:00到着でたまたま空いていたスペースに車をねじ込むことができた・・・という感じで基本的に満車でした。
見どころ
三伏山
360度遮るものがない眺望が得られる山頂です。標高2615m。三伏峠小屋の後ろに恵那山。そこから右に視線を移動していくと、中央アルプス、乗鞍岳、北アルプスが見えます。塩見岳の姿を初めて確認できるのもこの山頂になります。意外と近く見える塩見岳ですが、その後歩き進んでもなかなか近づかない塩見岳にこのコースの長さを感じます。
塩見小屋
塩見小屋手前から森林限界を越えて南アルプスを構成する名山の数々を眺めることができます。また、中央アルプス、北アルプスも同様です。長い樹林帯歩きの後の解放感を味わえます。
塩見岳山頂
南アルプスの中心に立っていることを実感できます。塩見岳から北に延びる仙塩尾根は南アルプスの女王仙丈ヶ岳まで続いています。東側には蝙蝠岳とその向こうに富士山と駿河湾。蝙蝠岳へのルートは点線ルートですが、荒川岳への登山拠点である二軒小屋まで続いております。
山頂はそれほど広いわけではありませんが、北アルプスのようにたくさんのハイカーが押し寄せる山域ではないので北アルプス、中央アルプス、南アルプスの山々を眺めながらのんびり過ごすことができます。