晩秋の美ヶ原高原を散策 道の駅から王ヶ頭をピストン

目次
美ヶ原とは
長野県松本市と上田市に東西にまたがる高原です。標高は2000m以上あり、ピークである王ヶ頭(標高2034m)は日本百名山にも数えられております。
名前の通り非常に景色が美しい場所です。見渡す限りの草原が広がり、その向こうには北アルプスの山々がズラリと並ぶ素晴らしい景色を楽しめます。南側には八ヶ岳や富士山も眺められますね。
宿泊施設もあり、山頂の王ヶ頭にある王ヶ頭ホテルに宿泊すれば、夕焼けで燃える北アルプスが眺められ、夜は満点の星空が楽しめることでしょう。
このホテルは松本駅から送迎をしているようです。公共交通機関でものんびり来られる場所です。
高原は高低差の少なくしっかりした散策路があります。標識も分岐路でしっかりありますので道に迷うことはありません。どなたでも安心して歩くことができます。
今回のコース
美ヶ原高原道の駅から王ヶ頭まで牛伏山を経由してピストンをしました。牛伏山と王ヶ頭は多少登るくらいで(標高差数十メートルくらいか?)ほぼ平坦な散策路です。
途中にある山本屋という山小屋から王ヶ頭までは送迎バスが走る幅の広い林道です。もはや登山ではなくお散歩です。

登山口へのアクセス
岡谷I.Cから国道142号線を北上し、新和田トンネル手前を左折。旧国道142号線を走ります。信号のあるトンネルを越えたあとにある分岐路を左に入りビーナスラインへ。ビーナスラインを北上してひたすら登っていくと美ヶ原高原道の駅に到着します。
旧142号線からはずっとクネクネ山道を10km以上走りますので、車酔いのしやすい人は酔どめを飲む等対策をしておいたほうが良いでしょう。
ルート地図
ルートタイム
往路 63分
道の駅美ヶ原高原⇒13分⇒牛伏山⇒16分⇒美ヶ原高原ホテル山本小屋⇒5分⇒美しの塔⇒6分⇒塩くれ場⇒22分⇒王ヶ頭ホテル⇒1分⇒王ヶ頭山頂
復路 63分
王ヶ頭山頂⇒2分⇒王ヶ頭ホテル⇒20分⇒塩くれ場⇒6分⇒美しの塔⇒4分⇒美ヶ原高原ホテル山本小屋⇒21分⇒牛伏山⇒10分⇒道の駅美ヶ原高原
ルートデータ
- 出発時刻/高度: 06:01 / 1915m
- 到着時刻/高度: 09:35 / 1930m
- 合計時間: 3時間33分
- 合計距離: 9.84km
- 最高点の標高: 2030m
- 最低点の標高: 1914m
- 累積標高(上り): 242m
- 累積標高(下り): 226m
登山レポート
360度絶景の牛伏山
日の出前に美ヶ原高原道の駅に到着。まだ暗いにもかかわらず結構たくさんの車が停まっていた。みんなここからの夜明けショーを見るのが目的だろう。道の駅からは眼下に上田市の街明かりが見えて夜景もきれい。

夜が明けてくると東の空が朱色に染まってくる。久々に快晴での日の出が見られそう。
外はかなりの強風。この日の天気予報は快晴だが、風速は20m/s以上の強風予想でてんきとくらすでは登山指数Cだった。でも、美ヶ原はほとんど登るところもなく平坦で道が明瞭なので風が強いくらいなら問題はないと判断して来たのであった。

南側には八ヶ岳が編笠山から蓼科山まで一望できる。編笠山の端からは富士山の姿も少し見えた。強風で雲がどんどん流れていく、八ヶ岳も雲に隠れたり出てきたりを繰り返していた。

最初のピークである牛伏山までは木道の登山道。道の駅から山頂までは15分ほどだ。木道は霜が凍ってやや滑りやすかったが歩きやすい。木道から東側を振り返り日の出を眺める。久々のご来光である。

牛伏山の山頂からの眺望は抜群だ。西側は北アルプスオールスターズが横並びで眺められる。北アルプスのモルゲンロートを楽しむ人で山頂は賑わっていた。南東を見れば八ヶ岳。こんなに手軽に来られる眺望地は貴重である。



王ヶ頭も草原の向こうに見える。あちらは時々雲がかかっている。雲の通り道になっている様子。この日の上りはこの牛伏山と王ヶ頭のみ。標高差で100mもないくらい。

牛伏山はススキの群生地でもある。朝日に照らされる強風になびくススキが金色に輝いてとても美しい。

ガスと爆風の王ヶ頭山頂
日の出ショーをしばらく楽しんだあと、王ヶ頭に向けて牛伏山を山本小屋方面へ降りていく。道はしっかり作られていて迷いようもなく歩きやすい。右側に北アルプスや王ヶ頭、左側に八ヶ岳を眺めながらゆったり降りる。

牛伏山から山本小屋までは15分ほど。牛伏山を降りると車も通れる広く整備された道になる。非常に歩きやすくもはや登山ではなくなる。ただのお散歩である。
山本小屋や王ヶ頭ホテルに宿泊する人は、山本小屋の駐車場まで来るまで入ることができるようだ。王ヶ頭ホテルまでは山本小屋からバスが出ており、道を歩いているときに2度ほどすれ違った。

山本小屋から5分ほど歩くと美しの塔がある。等についた途端にガスに包まれてしまいここからの景色は何も見えなくなってしまった。本来であれば、塔の向こう側に北アルプスが見えるはずである。


美しの塔から先に進むと塩くれ場と呼ばれる地点に到着する。ここは王ヶ頭まで直通で行くルートとアルプス眺望ルートの分岐点になる。アルプスルートを行くと山の南斜面を歩くルートになり、王ヶ頭山頂へ直接つながる。直通ルートは王ヶ頭ホテルを経由するルート。山の眺望はなく牧草地の中を歩くルートだ。
塩くれ場とは放牧した牛に塩を与える場所。岩の上に塩をまいて牛に与える場所であるようだ。

すでにガスに包まれて何も見えない状態だったので、王ヶ頭ホテルへ行くルートで進むことにした。道は送迎バスが通るきれいで広い道。全く登山に来た気分にならない。
しばらく平坦な道だが、ホテルの手前から登りになる。本コースの数少ない登りだ。

ホテルに着くとすっかりガスに包まれてしまった。ホテルでトイレは利用できるが、ホテルの正門からは宿泊者しか入れない。トイレの場所を聞こうと入ったらホテルマンに早々に追い出されてしまった。
トイレは手前の小売店の奥にある。利用料は100円/回である。早朝で開店前だったがトイレは利用させてもらえた。

トイレを済ましてから山頂へ向かう。山頂はホテルのすぐ裏だ。暴風に煽られながらなんとか山頂で証拠写真を撮る。

来た道を戻る
山頂で少し晴れるのを待ってみたが一向にガスが切れそうな気配はない。予定では王ヶ鼻まで行くつもりだったが、このガスと暴風で眺望も望めないので引き返すことにした。
王ヶ頭を降りるとガスは切れて視界が開ける。
向こうからは王ヶ頭へ向かって歩いてくる人が多数。ガスガスで何も見えないのが見えているだろうが、それでもせっかく来たのでとりあえず山頂を目指すのだろう。

このあたりは白樺も群生しているようで、草原の向こうに白い森が見えた。雪に包まれればまたきれいに見えるのだろう。

牛伏山山頂に戻ると、北アルプスの姿がよく見えた。しかも、王ヶ頭を包んでいた雲が一気に吹き飛んで山頂がピンカンに晴れた。きっとガス男の私が去ったから晴れたのだろう・・・。今年の登山はほぼほぼガスに包まれた登山ばかりだったから・・・。



それでも、最後にまた北アルプスが拝めたからよしとした。王ヶ頭と王ヶ鼻はまたの機会に来ればよい。開放感あふれる木道を降りて道の駅の駐車場へ降りていったのでありました。
