編笠山と権現岳を日帰り登山。森林限界からの絶景をカメラに収める。


10月27日に権現岳と編笠山を登ってきました。八ヶ岳の一番南に位置しているお山です。標高はそれぞれ2715mと2524m。もう11月になればこの辺りの山も冠雪してくると思うので、今年最後の高山登山かなと思います。
権現岳と編笠山は山頂には高い木がない、いわゆる森林限界を超えたお山です。森林限界を越えたお山は視界が開けて眺望がいいですし、岩稜とハイマツに覆われた山肌はいかにも非日常な場所に来た感じがしてすごくいいですね。この解放感を味わってしまうと、低山の里山の風景が物足りなくなってしまいます・・・。こうしてみんな登山沼にはまっていくのでしょうねぇ・・・。
森林限界超えの世界はこんないい事ばかりではなく、遮るものがないので時には猛烈な風にさらされますし、気温も低いのできちんとした装備で望まないと特に寒くなっていく時期は大変なことになります。自然の美しさと同時に過酷さも身をもって知る場所でもありますね。
今回は幸いにも強風予報であったにもかかわらず、登ってみるとそれほど風が強くありませんでした。雲一つない快晴、八ヶ岳ブルーを存分に楽しめた一日でした。
目次
コース
登山口
登山口は何カ所かあるようですが、今回は編笠山と権現岳をセットで周回したかったので観音平というところから登りました。
駐車場は50台位停められそうです。観音平駐車場は道路を登ってきた先にあるところと、そこから左の未舗装道を入っていたところの2カ所あります。
私はAM3:00に到着したのですが、手前の駐車場はすでに満車でした。暗闇の中未舗装道を入っていき、奥の駐車場に停車。こちらは1台しか停まっておりませんでした。
ルート地図
ルートタイム
【観音平駐車場⇒編笠山】
観音平駐車場⇒47分⇒雲海⇒34分⇒押手川⇒73分⇒編笠山
【編笠山⇒権現岳】
編笠山⇒20分⇒青年小屋⇒35分⇒のろし場⇒16分⇒西ギボシ⇒8分⇒東ギボシ⇒10分⇒権現小屋⇒3分⇒縦走路分岐⇒3分⇒権現岳
【権現岳⇒観音平駐車場】
権現岳⇒36分⇒三ッ頭⇒3分⇒三ツ頭分岐⇒35分⇒木戸口公園⇒8分⇒ヘリポート跡⇒37分⇒八ヶ岳横断歩道分岐⇒25分⇒観音平駐車場
ルートデータ
- 出発時刻/高度: 03:34 / 1578m
- 到着時刻/高度: 12:21 / 1576m
- 合計時間: 8時間47分
- 合計距離: 12.65km
- 最高点の標高: 2670m
- 最低点の標高: 1510m
- 累積標高(上り): 1310m
- 累積標高(下り): 1318m
- 荷物重量 : MAX13.8kg
- 消費カロリー : 4,084kcal
- 消費水分 : 0.5l
- 摂取カロリー : 約488kcal
持ち物
- ザック
- ストック
- 登山靴
- 手袋
- 帽子
- 行動食(カロリーメイト6本 ゼリー×1個 パン×2個)
- 飲料水1.5L(500mlペットボトル×1 1000mlペットボトル×1)
- 救急セット
- ヘッドライト、懐中電灯、予備電池(GPS用3セット 懐中電灯用1セット ヘッドライト用3セット)
- GPS
- 熊鈴
- コンパス、地図、時計、携帯、財布、保険証、筆記用具
- 一眼レフカメラ(Nikon D7200+TAMRON24-70F2.8G2)、 レンズ(SIGMA8-16)、ミラーレス(NIKON1 J4+nikkor1 10-30+nikkor1 30-110)
- ジオライン、フリース、ズボン、登山靴下、 防寒着、レインウェア、ウインドブレーカー、ソフトシェル
- 予備紐、ライター、ビバークシート 、チェーンスパイク
登山レポ
観音平駐車場⇒編笠山
車内で朝食を食べてからAM3:30に出発。月明りで意外と明るかったですが、当然ヘッデンは必要。途中の分岐ポイントがある雲海、押手川までは割と淡々とした尾根の登り。雲海を過ぎると尾根が広くなってくるので夜間の山行ですと意外と道がわかりにくかったですね。印もあまりないので度々立ち止まっては周囲を見渡して道を確認するという感じで登りました。明るい時間であればおそらく全く問題ないと思います。

押手川は編笠山の巻き道との分岐。標識によると巻道方面には展望所もあるようです。今回は当然編笠山山頂を目指しました。
押手川から先は岩場の山道になっていきます。大きめの岩を登っていき、どんどん急登になっていくのでかなりしんどい。押手川分岐で地図を眺めながら「あと3,40分で山頂に着くかな」などと思っておりましたがとんでもない。岩場の急登に悶絶。結局74分もかかってしまいました。時間がかかりすぎて予定していた山頂での日の出前撮影も出来ず。でも朝日に燃える山々の風景は眺められたのでよかったですね。



編笠山山頂は遮るものがないので眺望は素晴らしかったですね。モルゲンロートに燃える南アルプスや編笠山の影を被る街、中央アルプスに御嶽山、もちろん富士山もばっちり見え、背後には八ヶ岳の山々がどーんとそびえております。
もっとお手軽な山かと思っていたら結構しんどかったのですが、それに見合う満足感が得られる山頂ですね。
この日の山頂温度は手元の温度計で-1℃でした。風はそれなりに強かった(10m/sくらい?)ですね。これからいよいよ山は冬に入りますね。
編笠山⇒権現岳
編笠山の裏側を下っていくとコルに青年小屋という山小屋があります。「遠い飲み屋」と書いた提灯が入口にかかっていました。山小屋で過ごす夜を飲み明かすような雰囲気が伝わってきて楽しげですね。この日もたくさんの登山客が泊まられていたようです。
青年小屋手前は広大なガレ場になっています。この日も所々岩に氷が付いていて滑りやすかったので注意が必要ですね。


青年小屋からのろし場までは樹林帯の中を登る道で上にあがるにしたがい徐々に急登に。のろし場に到着すると一気に視界が開けます。蓼科を一望でき、右にそびえる西ギボシの岩稜が格好いい。


ここからは鎖場もある岩場登りになります。東ギボシのトラバース路が今回のコースの核心部。足場の狭い岩場の道を岸壁にかけられた鎖をもって歩きます。足元はかなり氷が付いていたので滑落しないように慎重に歩きました。核心部をクリアすると赤岳や阿弥陀岳等の八ヶ岳の山々をまじかに眺める絶景に。高所恐怖症の私が言うのもなんですが、高いところからの眺望は素晴らしいですね。病みつきになります。


東ギボシをクリアすると権現岳山頂まではあと少し。権現小屋の上にある赤岳方面の分岐からの眺望は、八ヶ岳を一望できる絶好のポイントですよ。ここから数分で権現岳山頂に到着。山頂は360°の大展望。富士山、南アルプス、金峰山瑞牆山をはじめ奥秩父の山々もよく見えました。山の裾野は紅葉真っ盛りですが、上にあがってくるにしたが木々の葉が落ちている様が季節の移ろいが凝縮されていてなかなか感慨深かったですね。



権現岳⇒観音平
権現岳直下は鎖場のある登山道ですが、特に危険な個所はありません。200mほど下ると普通の登山道になり三ツ頭へ登り返します。

三ツ頭からはひたすら下りの道になります。途中にあるヘリポート跡は眺望抜群ですので休憩するのにいいところです。ここからさらに下り、延命水分岐をさらに下る(延命水方面にはいかない)と遊歩道にぶつかります。この辺りは丁度紅葉真っ盛りで綺麗でした。
遊歩道がそのまま観音平に続くのかと思ったら、分岐の後に枯れ川に降ろされて一瞬道がわからなくなりました。対岸にリボンが見えたので、そこから登っていくと観音平駐車場です。この最後の登りが地味にしんどかった。


権現岳は森林限界をわりと気軽に楽しめるね。南アルプスですと登山口までのアクセスが長くてなかなか気軽には行けないので、こんな山が家の近くにあれば楽しい登山ライフが送れるのですが。