南八ヶ岳を登山 西岳・権現岳・赤岳・阿弥陀岳周回 舟山十字路から
目次
南八ヶ岳とは
八ヶ岳は夏川峠を境に北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けられます。
北八ヶ岳は比較的なだらかで苔の豊かな原生林が美しいのが特徴です。天狗岳や蓼科山など森林限界を越えた岩のピークもありますが、比較的登りやすい山域です。
対して南八ヶ岳は険しい岩稜の多い山が多く、大同心や小同心、阿弥陀岳南陵などクライミング技術が必要なところも多い山域です。しかしながら、権現岳から赤岳を経て硫黄岳まで続く稜線は鎖場や岩登りもありながらもクライミング技術が必要な箇所はなく、多くの一般登山者が歩く人気の山域です。
八ヶ岳は首都圏からのアクセスも良く、各所にしっかりした山小屋があるので、安心して登山ができる山域でもあります。
今回のコース
舟山十字路から西岳、権現岳、赤岳、阿弥陀岳を周回するルートを歩きました。
舟山十字路から西岳のルートは以前は点線ルートだったようですが、現在では登山道も明瞭で危険個所も特になく、実線ルートになっています。以前は西岳への取付きがわかりにくかったようですね。
権現岳、赤岳、阿弥陀岳は岩稜を登る登山道になっており、落石に注意が必要です。上から落ちてくる石はもちろん自分が石を下に落とさないように慎重に足を進めていく必要があります。ヘルメットは必須のコースです。
また、何度も登り返すので体力的にも結構ハード。歩行距離と累積標高の数字だけであれば、青木鉱泉から鳳凰三山を周回するコースとあまり変わりませんが、体感的にはこちらの方がキツかったです。
登山口へのアクセス
ルート地図
ルートタイム
舟山十字路⇒西岳 2時間25分(休憩含まず)
舟山十字路⇒5分⇒舟山十字路水場⇒10分⇒広河原⇒24分⇒信玄の隠岩⇒106分⇒西岳
西岳⇒権現岳 1時間37分(休憩含まず)
西岳⇒32分⇒乙女の水⇒4分⇒青年小屋⇒25分⇒のろし場⇒15分⇒西ギボシ⇒9分⇒東ギボシ⇒6分⇒権現小屋⇒2分⇒縦走路分岐⇒4分⇒権現岳
権現岳⇒赤岳 2時間40分(休憩含まず)
権現岳⇒4分⇒縦走路分岐⇒13分⇒旭岳⇒23分⇒ツルネ⇒20分⇒キレット小屋⇒64分⇒天狗尾根 稜線分岐⇒23分⇒真教寺尾根分岐⇒5分⇒竜頭峰⇒4分⇒竜頭峰分岐⇒4分⇒赤岳
赤岳⇒阿弥陀岳 1時間3分(休憩含まず)
赤岳⇒1分⇒竜頭峰分岐⇒7分キレット分岐⇒5分⇒文三郎尾根分岐⇒19分⇒中岳⇒6分⇒中岳のコル⇒25分⇒阿弥陀岳
阿弥陀岳⇒舟山十字路 2時間11分(休憩含まず)
阿弥陀岳⇒2分⇒西の肩(岩場)⇒4分⇒西ノ肩⇒46分⇒不動清水⇒32分⇒御小屋山⇒10分⇒美濃戸口・舟山十字路分岐⇒37分⇒舟山十字路
ルートデータ
- 出発時刻/高度: 04:22 / 1621m
- 到着時刻/高度: 17:34 / 1621m
- 合計時間: 13時間12分
- 合計距離: 19.48km
- 最高点の標高: 2861m
- 最低点の標高: 1588m
- 累積標高(上り): 2015m
- 累積標高(下り): 2014m
- 荷物重量:12kg
- 消費カロリー:6362kcal
登山レポ
舟山十字路から西岳
舟山十字路駐車場は樹林帯に囲まれた林道を奥に進んでいくと、林道ゲート手前の右手にある小さな駐車場です。駐車可能な台数はおおよそ10~15台程度。各車の駐車スペースのとり方によるでしょう。舟山十字路登山口は八ヶ岳としては比較的マイナーで、それほど多くの人は来ない様子。この日私が到着したAM3:30では2台の駐車のみ。日の出あたりで2台増えましたが、夕方下山してくると私以外は3台しか停まっていなかった。ちょっと北にある美濃戸はたくさんの人が訪れるので、停められるか心配になるがここはあまり心配しなくてよいようだ。
阿弥陀岳方面に登山ポストがあるが、すでにコンパスで登山届は提出済みなので特に投函することはない。準備を整えてから林道ゲート反対側に歩いていき、T字路を左に進む。木にも印があるし道標もあるので迷うことはない。
広河原と呼ばれる渡渉ポイントまではしっかりした林道を歩いていく。T字路から数分歩いたところに水場があった。地元の人の水汲み場として使われているのか不明だが、登山をする人にはあまり利用機会はなさそうな水場である。あまりに登山口から近すぎるので、あえてここで水を汲んでいく計画を立てた人しか利用しないだろう。
林道をしばらく進み分岐点を左方面に進むと広河原に到着する。3つの川を渡渉するポイントだ。とはいえ一つ目はちょっと跨ぐだけの川なので実質は2つである。
渡渉を終えて荒れた林道を進むと立場大橋⇔旭小屋という朽ちた道標が現れる。広河原の渡渉ポイントには昔は橋が架かっていたのかもしれない。旭小屋と書いてある方面は立場岳から阿弥陀岳南陵へ延びるルート。おそらくこの先を進んでいくと朽ちた小屋跡があるのだろう。
この朽ちた道標のすぐ先の右手に西岳への登山口がある。ここにも同様の朽ちた道標があるが、道も雑草に埋もれかけていて注意していないとわかりにくい道である。
個の登山口は、取付きこそわかりにくいが道に入っていくとすぐに明瞭な登山道になる。しばらくトラバース路を歩いていくと作業用林道に当たり、そこからは西岳への取付きまで林道歩きになる。
つい数年前までこのルートは点線ルートだった模様だが、この作業用林道がなかったのかもしれない。昔のレコを見ると、西岳への取付きがわかりにくいという記述をよく目にしていたのでそのつもりで来たが、あまりにわかりやすい道だったのでかなり拍子抜けした。
西岳への取付きは白い3差路の道標を西岳方面へ100mほど進んだところにある高さが4m以上はあろうかという巨大な岩が目印。ここからは本格的な登山道になるが、道は明瞭である。
登山道を少し進むと視界が開けて笹原の登山道になる。この登山道は2,3か所間違った方向へ延びる踏み跡があるので気を付ける必要がある。印がしっかりあるのでそちらの方へ歩いていこう。道標がなく二股に踏み跡がわかれるポイントが2,3か所あったと思うがいずれも左側が正解だったと思う。一見間違ったルートが登りになっているので引っ張られそうだが、しっかり地図を確認しながら進むようにしたい。
序盤は緩やかな登りなので、森の景色を眺めながらゆったり登ることができる。
笹路を終えると通常の登山道になる。八ヶ岳らしいコケの豊かな奇麗な原生林を歩く登山道。傾斜も緩いので非常に気持ちよく歩ける。1960mの標識あたりから徐々に登山道が急になっていく。ここからはガッツリ登って三頭へ。約一時間程かけてようやく西岳山頂に到着した。
西岳からの眺望はなかなか。東にある編笠山のわきに富士山が見え、南側に北岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山などの南アルプスが眺められた。山頂は比較的広いのでゆったりとできる。
天気予報は終日曇りだったので正直眺望は期待していなかったが、雲は低い雲と高い雲でちょうど山が見える高さは視界クッキリ。
雲海に浮かぶ南アルプスと富士山を堪能できたのであった。こんな日もあるんだね。
森林限界を越えて権現岳山頂へ
西岳山頂で小休止をしたあと、まずは青年小屋を目指して歩を進める。
青年小屋は遠い飲み屋のちょうちんでおなじみの登山者に人気の山小屋である。広いテン場もあり、水場も5分ほどのところにある。小屋から編笠山山頂まで30分ほどで行けるのでテント泊をして夜な夜な編笠山山頂に行って天の川でも撮れたら楽しいですね。
青年小屋から編笠山方面は巨大な岩が山肌を覆う岩稜の道。足元に注意しながら歩きましょう。今回は編笠山は以前登ったので今回はパスして、岩稜から見える富士山だけ撮ることにした。
青年小屋から権現岳へのルートは標識もしっかりあり明瞭。人気の山域であるので歩いている人も多い。まず道に迷うことはないだろう。
青年小屋から150m程登ると森林限界を越え、のろし場と呼ばれる眺望ポイントに到着する。視界が急に開けて富士山から南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスと周囲の山が一気に視界に入る。高山に登ってきた実感がわくポイントである。
中央アルプスの手前にある山塊は南アルプスの北端の山々なのでトレッキングで人気の入笠山も見えていることだろう。
富士山の横にちょこっとだけ見えるなだらかな山はおそらく櫛形山だろう。日本二百名山で、眺望こそあまりないが、南アルプスらしい原生林が美しいよい山だ。コースもいろいろあり、ガッツリ歩けるコースから軽いトレッキングコースまで選べるのでなかなか人気も高い。
のろし場からが権現岳登頂への核心部になる。この先は西ギボシ、ギボシと岩稜の登山道を這い上がるように登っていく。鎖場もあるが決して難しい登山道ではないので、滑落と落石に気を付けて歩けばさほど怖がることはない。
15分ほど岩場を登ると西ギボシと呼ばれるポイントに到着する。狭い小ピークだが眺望は非常に良い。雲と霞の向こうに御嶽山を眺めることができた。
南側は雲海と南アルプス。森林限界越えの景色は気持ちがいい。
ギボシまで来ると権現岳と富士山がセットで眺められる。権現岳山頂の直下にあるのが権現小屋だ。今年も営業はしないようである。
ギボシまで登ってくればあとは稜線を歩くだけのコース。核心部を越えたことになる。
イワカガミが岩に生えている。わずかな岩の裂け目から芽が出たのだろう。ド根性イワカガミである。うっかり踏まないように気を付けて通り過ぎた。
権現小屋のわきを登り、赤岳との分岐まで上がると権現岳山頂は目の前だ。山頂方面へ歩いて行って山梨百名山の権現岳標識を通り過ぎたところに山頂岩へ登る道がある。石碑と剣が立っている岩が本当の山頂。ここを登れば360度の大パノラマが堪能できる。
山頂からの富士山は三ツ頭と甲府盆地の街並みが俯瞰できる絶景。実は三週間前にもナイトハイクでここに来たのだが、ガスと爆風で何も見えず。朝日に燃える山々を撮ろうとしたのだが、撮れたのは霧氷に覆われた山頂だけだったのだ。
南アルプスも相変わらず奇麗に見えている。
権現岳まで来ると、奥秩父の金峰山や瑞牆山も眺めることができる。結構遠いので、どのピークがどれなのか判断がしづらいが、カメラ越しに標準ズームレンズのテレ端で見ると五丈岩を見ることができる。望遠レンズを持って来ればしっかり撮れるだろう。
奥秩父の金峰山と瑞牆山は初めてテント泊をした山である。コロナ禍もあり、ここ2年程テント泊をしていない。日帰りがほとんどでナイトハイクをして正午前後には下山というパターンが多くなっている。季節のいいうちに一度はテント泊でのんびり山に行きたいものだ。
ギボシの向こうには北アルプスもはっきり見ることができた。まだ残雪がかなりあるようであった。
キレットを縦走!赤岳へ
権現岳から赤岳へのルートはキレットを通過しなくてはならない。キレットとは深く切れ落ちた鞍部の事を言う。この区間は八ヶ岳山域の中でも最もタフな領域の一つだろう。
権現岳赤岳分岐から少し東に行ったところから降下が始まる。鞍部のキレット小屋までの標高差は概ね270m程だ。
ここからが大変なので、最後に南側を振り返り権現岳と富士山を眺める。権現からの景色もこれで見納め。これから始まる恐怖の降下の前に景色を眺めて気持ちを落ち着かせるのであった。
降下点の始まりの場所から眺める方が分岐よりいい感じである。今度夜明け前に来たときはここから撮ろうと思った。
最初は鎖場を降りて長い梯子を下りるところから始まる。この梯子は傍から見ていると高所恐怖症の私にはとてもじゃないが降りられる代物ではない・・・と思ったが、いざ降りてみると意外と傾斜が緩く、下を見なければそれほど怖くはない。とはいえ、写真を撮る余裕などなくこの辺りの記録画像は胸に付けていたOSMOpocketでの動画のみとなった。
降下が完了すると旭岳へ向けてガレた登山道を歩いていく。岩場にはイワカガミが群生していたので踏まないように気を付けて歩く。
旭岳の西側をトラバースして岩を降りていくとやがてツルネと呼ばれる小ピークに到着する。ここは割と眺望の良いポイントなのだが、疲労困憊で標識しか撮っていなかった。余裕がないのはよくない。
ツルネの先に行くとケルンがあり、その先からキレット小屋への降下が始まる。キレット小屋は樹林帯にあるので、ここからいったん眺望がなくなる。この辺りは赤岳、阿弥陀岳はもちろん、東側には奥秩父が眺められ、振り返ると権現岳をバックに歩いてきた稜線が見える。なかなか眺望の良い場所だ。
100m程下るとキレット小屋だ。小屋の手前に崩落した崖沿いをトラバースする道があるのが若干怖かった。キレット小屋はきれいに整備された建物だが残念ながら営業していなかった。コロナ禍で営業ができない様子。早く収束してものである。
キレット小屋から赤岳山頂までは450mの登り返しとなる。しかもそのうち400m近くはガレた岩登りのルートなる。今回のルートの核心部だ。ルンゼのような岩壁をひたすら登るルートだが、ペンキの印や鎖がしっかりあり意外と登りやすい。このルートは下るほうがはるかに大変だろう。
歩いてばかりで疲れていたので、四体を使ってよじ登るこのルートはかえって体が楽に感じた。始めのうちだけだったが・・・。ここでも登山道の様子を写真にとっておらず、OSMOpocketの動画のみの記録になってしまった。意外と余裕がなかったらしい…。
登っていくとところどころに平らなところがあり休憩ができる。一休みをしながら登っていく。ようやく壁のようなガレ場を登りきると、天狗尾根と大天狗が見えるポイントに梯子がかかっている。
『ゲッ・・・』
この梯子の下を見ると恐怖で足がすくんだ。高所恐怖症の人間は梯子の下に目を向けてはいけない。上だけを見て登るのだ。
上は白い雲と青い空が一面に広がっている。梯子の上はすぐそこだ。空と梯子だけを見て登るのだ。ここを登りながら逆コースで周らなくてよかったとつくづく思ったのであった。
梯子を登りきると、崖っぷちを歩く恐怖のトラバース路。眺めはよいが、下を見ると目が眩んで落ちそうだ。景色を楽しみながら歩くのだ。
恐怖の崖っぷちトラバース路を過ぎて登ること20分。真教寺尾根分岐が近づいてきた。赤岳本体に取付いて足場も安心感が出たところで振り返ると、これまで歩いてきた稜線を一望できた。キレットに権現岳、西岳。その向こうには南アルプスの長い稜線が左右に連なっている。爽快な景色だった。こう見ると結構歩いてきたものだ。
真教寺尾根との分岐に到着。ここまで結構時間がかかった。ここからもうひと頑張り岩場を登れば山頂だ。あと15分程度だろうか。ここから山頂までは鎖場と梯子の急登だった。龍頭峰というピークに登るとすぐそこに赤岳山頂が!ようやく到着できると一安心。
この先に文三郎尾根からのルートと合流してまもなく山頂に到着した。
山頂にはたくさんの人。赤岳山頂はそれなりに広いけど平坦な場所は少ない。それでも腰を掛けられる岩はたくさんあるので、休憩スペースに苦労することは特になかった。
冬場は倒れてしまっていたという赤岳山頂標識も、もともとの場所と違うところに立て直されていた。
赤岳からの眺望は360度パノラマビュー。富士山をはじめ、北アルプス、南アルプス、中央アルプス、北八ヶ岳、奥秩父等全部見えるのですが、この日は曇り空で眺望はもう一つ。でも、やっぱり山頂からの眺望はいいものです。山頂からの眺望はもちろん一番高い場所から眺められるというのもありますが、ここまで登ってきた達成感がより見る景色に満足感を与えてくれます。
そしてラスボス阿弥陀岳
かなり大休憩をしたのち、最後のピーク阿弥陀岳へ向かう。標準タイムでは赤岳⇒阿弥陀岳は1時間20分ほど。もうすでにヘロヘロに疲れているのでもう少し時間がかかるかも、と思いながら先ほど通った文三郎尾根方面へ降りていく。マムート階段のある行者小屋との分岐までは急な岩場を降りていくので、足元に注意が必要。ガレていて浮石で足元も滑りやすく、人も多いので落石には細心の注意をしなければならない。
今回のルートでは赤岳への登りから阿弥陀岳まではヘルメット必須だと思う。
マムート階段との分岐に着くと、ほとんどの人が階段を降りていく。阿弥陀岳へ行く人は少ない。すでに14:00前なので下山を開始する人が多くて当然。私は舟山十字路に降りなければならないので、阿弥陀岳を越えていかなければならない。疲労困憊の時は美濃戸に降りてから一般道を歩いて舟山十字路に戻るという事も想定はしていたけど、阿弥陀岳はまだ未踏なので予定通り登っていくことにした。
地蔵尾根のところにガスが舞っている。山の稜線が雲の流れを阻んでいる。
中岳の手前のコルまで降りてきて、赤岳を振り返る。大きい。山頂へ延びていく稜線上の登山道がいい感じ。
中岳を見上げると意外と高い。阿弥陀岳の前衛になるが、これに登るだけで結構ダメージを受けそう。ドラクエ3のゾーマの前のバラモスゾンビといったところか。
中岳山頂からラスボス阿弥陀岳を眺める。かなりの急登だ。登る前から登り切れるか不安になる山容だ。
権現岳からのキレットもここからなら全貌が眺められる。こうしてみると結構距離がある。
阿弥陀岳の登りは急登だった。鎖と梯子を登りながら岩をつかんで登っていく。山頂近くになると、鎖を付けてほしい岩場もあり、疲労困憊の体にはかなり堪えた。でも、思ったより時間がかからず山頂にたどり着くことができた。
これが最後のピーク。ここからは下るだけだと思うとホッとした。西岳からずっと上り下りを繰り返してきてすでにこの老体は限界近くになっていた。
阿弥陀岳山頂はかなり広く平面だ。休む場所には事欠かない。眺望もよく、360度パノラマビュー。赤岳同様富士山やアルプス系統の山は当然見えるが、赤岳から北へ延びる稜線上の横岳、硫黄岳、さらにその先の山々までよく見える。
また、茅野市から諏訪湖までの街の眺望もよく見えるがの良い。夜にここに来れば奇麗な夜景が眺められるだろうなと思った。満月の夜に来れば、街明かりと月光に照らされる北アルプスが撮れるかも。
阿弥陀岳から舟山十字路へ下るルートは3つある。南陵ルート、中央稜ルート、御小屋尾根ルートである。南陵と中央稜はクライミングをする人のルートなのでロープやらなにやらの道具とクライミング技術が必要。素人が入り込むと大変なルート。したがって、私が下りるルートは御小屋尾根ルートとなる。
御小屋尾根ルートは舟山十字路までまっすぐ降りていく最短コースでもあり、歩きやすい一般登山道。標準タイムは2時間50分。結構遠い。
山頂から降りていくとすぐに巨大な岩を乗り越える危険ポイントがある。ここから中央稜分岐までは崖のわきをある道だ。高所恐怖症の私からすると足元を見ると恐ろしいが、目の前を動く雲の塊と先に延びる山道の景色は高山ならではの絶景。
中央稜分岐から御小屋尾根へ降りていくと、ザレガレの急峻な下りとなる。浮石で相当滑りやすいので注意が必要だが、崖を滑落するような場所は少ないのでその辺りは安心しながら下れる。
樹林帯に入り不動清水分岐まで降りてくると、今までの歩きにくいザレザレ登山道からうってかわり、ものすごく歩きやすい林道レベルの登山道になる。
八ヶ岳らしいコケの包まれた森を歩く登山道は極めて快適。森にさす木漏れ日を眺めて和みながら歩いていく。
森にさす光が苔を照らす苔が輝いてキレイ。
木漏れ日のスポットライト
御小屋尾根は非常に歩きやすいが、歩いても歩いても全く標高が落ちない。御小屋山山頂までひたすら水平移動だ。いつになったら下りになるのか何度もGPSの地図を確認するようになる。
阿弥陀岳から1時間30分かかってやっと御小屋山に到着した。山頂と言っても今まで歩いてきた平坦道の真ん中に標識だけ立っている。標識がなければ山頂であることなどまず気付かないお山だと思った。
御小屋山山頂の先に美濃戸と舟山十字路の分岐がある。舟山十字路方面へ降りていきさらに50分ほどかかってようやく駐車場に戻ることができた。かなり疲れたが達成感も大きく満足できる山行になった。
舟山十字路から南八ヶ岳を周回動画
他の八ヶ岳山行記録
- 行者小屋にテント泊で南八ヶ岳を周回 赤岳 横岳 硫黄岳
- 編笠山と権現岳を日帰りで登山 絶景をカメラに収める
- 雨でも楽しめる 北八ヶ岳の苔の森を散策
- 朝焼けと雲海の絶景 天狗岳と硫黄岳を歩く
- 晩秋の美ヶ原を夫婦で散策 朝日に輝く黄昏の絶景を見た