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御嶽山を日帰り登山 黒沢口から

 
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御嶽山とは

標高3067m。北アルプス主脈の南南西に位置する独立峰。カテゴリとしては北アルプスに属するのだと思われます。

富士山や白山と同様に信仰の山として古来より多くの人が登って来た山。参道沿いにはそれをうかがわせる様々な石碑や石像などを見ることが出来る。

2014年9月27日の噴火で63名の犠牲者を出した事は記憶に新しい。その前にもたびたび噴火を繰り返している活火山で、登山道を登っていると硫黄臭を感じる。

現在、山頂周辺の登山道はほとんど通行止めとなっており、2020年は10月13日までは9合目覚命堂から山頂の剣ヶ峰までのルートが期間限定で通行可能となっている。

山頂である剣ヶ峰を取り巻く摩利支天山、継子岳、継母岳などの外輪山の内側には5つの池が点在する。山頂直下にある二ノ池は2014年の噴火前までは美しいエメラルドグリーンの水を湛えた池だったが、現在では火山灰でほとんど埋まってしまっている。継子岳方面にある三ノ池は深い青色をした美しい池で周辺は五ノ池小屋もあり人気のコースとなっている。

今回のコース

御嶽山登山で人気の登山口は王滝村の田ノ原であるが、現在山頂剣ヶ峰まで登ることが出来ないため、黒沢口登山口から登る人が最も多い。山小屋も多く、7合目まではロープウェイを利用することも出来るので山頂へのアクセスが良い。

国道19号線を北上していき、元橋T字路で左折。県道20号線を道なりに進み、三岳黒沢交差点を右折。後は道なりに進んでいくと林道をどんどん登って行き駐車場に到着する。

国道19号線から左折してから相当な距離(35kmくらいか?)を走ります。

黒沢口駐車場は30~40台くらいは停めるスペースがありますが、人気の百名山であるためか、私が登った2020年9月21日は駐車場に到着した前日20日17:30にはすでに半分埋まっており、20:00くらいには満車になった模様です。ちょっと下にある駐車スペースから林道まで相当な台数の車が路上駐車をしておりました。

登山道へのアクセス

ルート地図

ルートタイム

【黒沢口登山口⇒剣ヶ峰】所要時間:2時間42分(休憩除く)

黒沢口六合目・中の湯⇒17分⇒日野小屋跡⇒10分⇒飯森小屋(八海山支店)⇒11分⇒黒沢口七合目・行場山荘⇒43分⇒黒沢口八合目・女人堂⇒46分⇒石室山荘⇒11分⇒覚明堂休泊所⇒2分⇒二ノ池・頂上・黒沢口分岐⇒2分⇒黒沢十字路⇒17分⇒御嶽頂上避難シェルター⇒3分⇒御嶽山剣ヶ峰山荘

【剣ヶ峰⇒摩利支天山】所要時間:68分(休憩除く)

剣ヶ峰山荘⇒15分⇒黒沢十字路⇒8分⇒二ノ池山荘⇒6分⇒二の池ヒュッテ⇒8分⇒賽ノ河原⇒9分⇒白竜教会避難小屋⇒2分⇒三ノ池乗越分岐⇒9分⇒摩利支天乗越⇒1分⇒摩利支天乗越展望台⇒10分⇒摩利支天山

【摩利支天山⇒五ノ池小屋】所要時間:31分(休憩除く)

摩利支天山⇒15分⇒摩利支天乗越展望台⇒1分⇒摩利支天乗越⇒15分⇒五の池小屋

【五ノ池小屋⇒三ノ池周回⇒二ノ池山荘】所要時間:76分(休憩除く)

五ノ池小屋⇒1分⇒飛騨頂上⇒11分⇒三・四・五ノ池分岐⇒10分⇒三ノ池⇒14分⇒巻道の三ノ池分岐⇒16分⇒三ノ池乗越分岐⇒1分⇒白竜教会避難小屋⇒9分⇒賽ノ河原⇒14分⇒二ノ池山荘

【二ノ池山荘⇒黒沢口登山口】所要時間:88分(休憩除く)

二の池山荘⇒9分⇒二ノ池・頂上・黒沢口分岐⇒5分⇒覚明堂休泊所⇒4分⇒石室山荘⇒26分⇒黒沢口八合目・女人堂⇒25分⇒黒沢口七合目・行場山荘⇒5分⇒飯森小屋(八海山支店)⇒5分⇒日野小屋跡⇒9分⇒黒沢口六合目・中の湯

ルートデータ

  • 出発時刻/高度: 01:02 / 1808m
  • 到着時刻/高度: 11:57 / 1808m
  • 合計時間: 10時間55分
  • 合計距離: 16.25km
  • 最高点の標高: 3032m
  • 最低点の標高: 1802m
  • 累積標高(上り): 1576m
  • 累積標高(下り): 1581m
  • 荷物重量:12kg
  • 消費カロリー:4580kcal

登山レポート

暗闇の中を山頂まで

AM1:00。登山開始。山頂でご来光を眺めるため暗いうちから登り始める。

ヤマレコでのコースタイムは黒沢口駐車場から剣ヶ峰まで4時間42分。地図で見る限りそんなにかかるのか?と思ったが他の人のレコを見ると4時間前後で登っているのでこのくらいの時間に登り始めればちょうど良いはず。

御嶽山の登山口には「熊注意」の看板が見当たらない。大抵の山の登山口にはある看板だが敢えてないという事は御嶽山には熊がいないのか?

黒沢口登山口
黒沢口登山口

登山開始から45分ほどで7合目にある行場山荘に到着。

ここまでの道は山道に木が敷いてあるのだが、腐ってかなり傷んでおり前日に降雨があったことありかなり歩きにくかった。

山荘は明かりもついているし人の気配があるので熊鈴を鳴らさないように横をすり抜ける。

行場山荘
行場山荘

暗闇の中45分ほど歩くと8合目の女人堂に到着。ここから森林限界を超える。

女人堂の傍の休憩スペースからは下界の明かりが見えた。明るければ気持ちの良い眺望を楽しめるのだろう。

女人堂
女人堂

女人堂からは岩場の登山道をずっと歩く。よく整備されており、段差の大きい岩場などはなく普通に歩ける。

女人堂から45分ほど登ると石室山荘に到着。山荘手前に分岐があり、矢印で石室山荘と書いてある方に登ったら、山荘の裏口に着いた。ここから上に上がるルートがなく泣く泣く下に戻る。余計な体力を使ってしまった。

後で考えてみたら、山小屋の入口を通って向こうに抜ければよかった。夜中に小屋を利用もしていないのに扉を開けて通るという図々しい発想が浮かばなかったのが歳か・・・。

石室山荘裏口
石室山荘裏口

覚命堂。石像や石碑がたくさん祀られている場所。暗くてよくわからないので下山の時に確認することにした。

覚命堂
覚命堂

登山口から3時間10分で山頂直下のシェルターに到着。コースタイム4時間40分は余裕を見過ぎではないか・・・。

山頂シェルター

山頂に到着。登っているときは上にヘッデンの明かりが一つ見えていたのだが、どうやら私が一番乗りのようだ。先行していた人は違うところに行ったのかな。

山頂には避難用シェルター?が設置されてあった。活火山なので長時間の山頂滞在は控えるようにと注意書き。せめて陽が昇るまでの一時間ちょっとは山頂にいさせてください…。

御嶽山山頂標識
御嶽山山頂標識

ご来光撮影スタンバイ。試し撮りしてみると太陽が昇る方向はわずかに雲が切れている。ちょっと期待。

山頂温度は手元の温度計で0℃。寒いので持ってきた防寒着を着こむ。

登って来た時はそれほど風はなかったが、夜明けが近づいてくるとともに風が強くなってきた。

山頂からの眺望
山頂からの眺望

火口のある一の池方面は雲海。街灯りが雲海を照らして雲がオレンジ色に染まる。

一の池
一の池

日の出の時間になっても太陽の姿は一向に見えない。雲が厚すぎる。ご来光は見ることが出来なかった。ここまで登ってきて残念ではあるが、ここ2ヶ月の山行はガスと雨で視界なしばかりだったので、それを思えば全然良い。

明るくなってきて肉眼でも周辺の山が見えるようになってきた。二ノ池の向こう側に乗鞍、槍穂高が見える。

二ノ池と乗鞍槍穂高
二ノ池と乗鞍槍穂高

中央アルプスの向こうに南アルプスと富士山の姿。曇っているけど視界はいい。山座同定をして楽しむ。正解を確認できないのがまた良い^^;)

中央アルプスと南アルプス
中央アルプスと南アルプス

八ヶ岳も全部見える。一番左は蓼科山。右側の尖がっているのが赤岳だろう。

彼方に見える八ヶ岳
彼方に見える八ヶ岳

槍穂高に乗鞍。日が差せば綺麗に見えただろうなぁ。残念だ。

乗鞍槍穂高
乗鞍槍穂高

一ノ池外輪の向こうに見えるのはおそらく白山。淡くピンク色に光るヴィーナスベルトがきれいだった。

白山
白山

摩利支天山、五ノ池小屋をめざす

山頂を辞して下に見えた二ノ池方面に向かう。まずは摩利支天山に行ってから五ノ池小屋へ降りる。シェルターの傍には犠牲者の碑があった。刻まれた文字を読みながら、亡くなられた方々はまだまだやりの事したことがたくさんあっただろうに・・・などと思っていたら涙が出てきた。年を取ると涙腺が緩くなるようだ。

山頂から降りる
山頂から降りる

二ノ池小屋。二ノ池は火山灰に埋もれて見る影もない。荒涼とした平地の脇にポツンと小屋が立っている姿が寂しい。

二の池小屋
二の池小屋
小屋への道
小屋への道
二の池小屋
二の池小屋

二の池ヒュッテは二ノ池小屋から10分とかからないところにある。かつては大勢の登山客が泊まっていたんだろう。今はあまり人気(ひとけ)がないので宿泊する人は少ないのだろうなぁ。

二の池ヒュッテ
二の池ヒュッテ

ヒュッテから下に降りると賽の河原と呼ばれる平原になる。積石がたくさん点在していた。自然のものだろうか。それとも山岳信仰の信者が積み上げたものだろうか。

賽の河原を抜け白竜教会避難小屋へ
賽の河原を抜け白竜教会避難小屋へ
賽の河原とアルマヤ天
賽の河原とアルマヤ天

白竜教会避難小屋に到着。白竜教会初代館長というかたの銅像が立っています。白竜教会って?と思ってググってみたけどわかりませんでした…。

白竜教会避難小屋
白竜教会避難小屋

避難小屋からアルマヤ天の方へ少し歩くと三ノ池と継子岳がきれいに見える絶景スポットがありました。奥の方には乗鞍と槍穂高も。空が曇っているので池の色がイマイチですが、晴れれば綺麗な青色になるんでしょうね。

白竜教会から見る三ノ池
白竜教会から見る三ノ池

避難小屋から摩利支天山へ向かいます。摩利支天山は標高2959m。剣ヶ峰の次に高いピーク。今までの整備された歩きやすい山道から一転して、岩稜を歩く登山道を歩きます。

今回のコースの核心部と言える道です。でも、普通に慎重に歩けば全く問題ない道です。

摩利支天山をめざす
摩利支天山をめざす

摩利支天山山頂はうっかりすると通り過ぎてしまうようなところにあります。登山道の歩いている途中の頭上に山頂があります。山頂は平らなところはなく、ただの岩場で数人のスペースしかありません。

摩利支天山山頂標識
摩利支天山山頂標識

摩利支天山からは乗鞍槍穂高がより近くに見えて、西には白山が見えます。険しい岩稜の稜線と眺められる景色は高山に登って来た感でいっぱいです。剣ヶ峰よりこちらの方がいいですね。山頂だけでなくこちらも是非寄ってもらいたいです。

乗鞍槍穂高と継子岳
乗鞍槍穂高と継子岳
来た道を振り返る
来た道を振り返る
岩稜と槍穂高
岩稜と槍穂高

来た道を戻って今度は五ノ池小屋へ降ります。この降りていく道から見る景色がまたいい。空が晴れてきて三ノ池が深い青色に。すごく綺麗。

三ノ池
三ノ池

五ノ池小屋へ降りていくルートはガレていて浮石に注意が必要ですが、よく整備されているので歩きやすい道です。周辺の景色を満喫しながら歩けます。

五ノ池小屋につながる稜線
五ノ池小屋につながる稜線

西を見ると雲海の向こうに白山が見えます。私の前を歩いていた方も夢中で写真を撮っていました。

雲海と白山
雲海と白山

青空が見えてきて、ハイマツの緑が映えます。剣ヶ峰付近の荒涼としたガレ場とは打って変わった景色です。

継子岳
継子岳
五ノ池小屋と山々
五ノ池小屋と山々
五ノ池小屋への道
五ノ池小屋への道
三ノ池
三ノ池

五ノ池小屋が近づいてきました。小屋裏のピークが飛騨頂上か。五ノ池小屋の前にある五ノ池は申し訳程度しか水がない。

五ノ池小屋と五ノ池
五ノ池小屋と五ノ池
五ノ池小屋
五ノ池小屋

五ノ池小屋の前はデッキになっていて、摩利支天山を眺めながらコーヒーブレイクを楽しむ人がたくさんおられました。

デッキと摩利支天山
デッキと摩利支天山

日光浴を楽しみながらも摩利支天山を眺められます。

日光浴可能
日光浴可能

五ノ池小屋から三ノ池を周回するルートを行きます。今回は行きませんでしたが、継子岳をまわって三ノ池に行く方がよかったと思いました。

左手に四ノ池と連なる岩を眺めながら歩きます。五ノ池小屋に降りていく時から気になっていましたが、山のピークから五ノ池小屋方面へ岩がずっと連なっている光景が印象的でした。

四ノ池は池というより湿地帯な感じ。

四ノ池
四ノ池

三ノ池の青い湖面(池面?)をまじかに眺めながら周回していきます。

三ノ池と崖
三ノ池と崖
三ノ池とアルマヤ天
三ノ池とアルマヤ天
三ノ池
三ノ池
三ノ池を周回する
三ノ池を周回する
アルマヤ天と登山者
アルマヤ天と登山者

女人堂へ直接降りるルートとの分岐に着くころにはガスが出てきました。現在このルートは登山道崩落により通行止めになっています。崩落地点は目視でもよく確認できます。

女人堂分岐
女人堂分岐

戻るには白竜教会避難小屋へ戻って元来た道を戻らなければなりません。ここの登り返しルートは岩登りになります。整備はされていませんがそれほど危険な箇所はないルートです。

三ノ池を振り返る
三ノ池を振り返る

200m程登り返すと白竜教会避難小屋に到着します。ここからは来た道を引き返すだけです。

避難小屋
避難小屋
御嶽山本体?
御嶽山本体?
賽の河原と二ノ池ヒュッテ
賽の河原と二ノ池ヒュッテ

二の池に戻ると、火山灰で埋まった池から湯気が立ち込めていました。火山灰の下に熱せられたお湯が沸いているのでしょうか。

二ノ池
二ノ池

メインルートに戻ると、ものすごい数の人が登ってきておりました。びっくりです。さすが人気の百名山といったところでしょうか。これだけの人数の車を停めるスペースがどこにあるのか。ロープウェイの駐車場はそんなに広いのだろうかなどと思いながら下山します。

登って来る人
登って来る人

覚命堂の石像。噴火の熱にさらされてこんな色になったのでしょうか?

石像
石像

降りていくとどんどん人が増えてきます。登って来る人まちでなかなか降りられません。

登って来る人の行列
登って来る人の行列
行列その2
行列その2
行列その3
行列その3

振り返ると御嶽山は雲の中。これだけの人が登ってきているのに残念です。

御嶽を振り返る
御嶽を振り返る

女人堂が見えてきた。あそこから下は樹林帯の登山道になります。女人堂は休憩をする登山者でごった返していて蜜状態でした。脚は停めずにそのまま降りました。

女人堂が見える
女人堂がみえる

そして下山。結構いいペースで下っている方について行って降りると、気を使わせてしまって道を譲って頂くことが度々ありました。ちょうどいいと思って同じペースで降りていたのですがもう少し距離(10mくらいか)を置かないとと反省した次第です。

黒沢口登山口駐車場

今回のコースは山と高原地図を参考に計画を立てました。ルート間の時間だけでなく、コース状況なども記載されているので非常に参考になる地図です。ガーミンや携帯アプリでコース管理をしている人もたくさんおられると思いますが(私もそうですが)紙の地図とコンパスは必携です。

いざという時に使えるように明るいうちは地図とコンパスで位置確認をするようにしています。電気物は故障や電池切れで使えなくなることもありますので、紙の地図を読めるようにしておかないとといつも思っております。

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