安倍奥 安倍川の源流へ

目次
登山解禁で安倍奥へ
コロナウイルス感染防止に伴う緊急事態宣言に伴い、登山業界でも山への立入りは自粛でしたが、6月に解除されたことでガイドラインに沿っての登山が解禁となりました。
早速山に行きたいと思ったものの、近隣で県をまたがないとなると私の住んでいる静岡県西部からはなかなか行ける山はありません。静岡県民が行く山に困ったとき思い浮かぶ山域といえば・・・安倍奥です。
安倍奥とは静岡市に流れる一級河川安倍川源流の山域。南アルプスの最南端に位置します。四季折々の景色が楽しめて温泉もある日帰り登山をするのにちょうどよいところです。

今回はコロナ自粛でなまった体のリハビリも兼ねて安倍川源流とその周辺のピークを踏む山行を計画しました。
梅ヶ島温泉から安倍川源流をめざす
朝8:00。梅ヶ島温泉駐車場に到着。寝坊して遅い出だしになってしまいました。しばらく登山を休んでいると早起きもなかなかできない。
梅ヶ島温泉を通り抜けて安倍峠・八紘嶺登山口に向かう。温泉街に並ぶ宿はみんな閉じていて、駐車場下のお店だけが唯一営業していた。
駐車場から安倍峠への車道を10分ほど登ると左手に登山口が現れる。登山ポストも備えたちゃんとした登山口だ。ここから杉の植林を縫う登山道を登って行く。

杉の森は虫が少なくて歩きやすいが、目に入る風景はまっすぐ上に伸びた杉の木ばかりで正直退屈。

道は明瞭だが、一カ所道迷いする分岐があった。左に折れる道が目に入るが正解は右。大きな杉の幹に道が隠れていて登って来た時に道が見えないため普通に道が伸びている左に行ってしまう。左に行くと徐々に踏み跡が薄くなり、トラバースののちコンクリート壁へ登るようになる。分岐にある杉の幹にピンクテープが巻いてあるので見逃さないようにしよう。
40分ほど登ると八紘嶺登山口の駐車場に到着した。
八紘嶺登山口駐車場は、ここまで登って来る車道が昨年の台風19号により崩落して通行止めのため現在利用できない。早く復旧してもらいたいものである。

安倍川源流への入口はこの駐車場からさらに車道を10分程登ったところにある。川のほとりにあるのでカエルの鳴き声が賑やかだった。


安倍川源流へは沢をずっと登る道を行く。何度も渡渉するが水量は少ないので濡れることはない。綺麗な水が流れていて涼やかな道。


緑の落ち葉が一面に敷き詰められた沢は歩きやすく、アップダウンもほぼないのでのんびり歩ける。

入口から30分ほど歩くと源流を差す看板がある。看板以外は水が湧く場所があるわけでもなく特に何もない場所だった。


源流から安倍峠までは5分ほど。安倍峠を示す看板がいくつも立てられていて、すぐ上には車道が通っている。

バラの段へ
バラの段は富士山の眺望がよい標高1648mのピーク。奥大光山や大光山での山行で一緒に歩く場所で、稜線からは富士山や深南部の山々が見える気持ちの良いコースらしい(まだ行ったことない)。今回は曇天の天気と分かっていたのでこちらには行かないが、せっかく安倍峠まで来たのでバラの段には登っておくことにした。
安倍峠の標識では45分となっていたが30分弱で着いた。ピーク直下は急登でロープが設置されてあった。

ピークに着くと眼下に川沿いにある集落が目に入る。正面に富士山が見えるはずだが、予定通り雲で姿を見ることは出来なかった。

特にここにとどまる理由もないのですぐに安倍峠へ降りて次の安倍峠側の八紘嶺登山口を目指した。
八紘嶺へ
八紘嶺は梅ヶ島温泉の北東に位置する標高1918mのピーク。二百名山である七面山へのルートの分岐点でもある。山頂の眺望はないが、手前の八紘沢の頭あたりから安倍川流域一面が見渡せる好展望地がある。今回はこのピークをゴールとした。
安倍峠にある八紘嶺登山口には立派なトイレと広い駐車場があるが、トイレは施錠されていて利用できなかった。車で上がってこれないので仕方がない。
登山口からはいきなり結構な急登になる。近くにある木の根を握ろうと手を伸ばすと、複雑な模様が付いていることに気が付いた。度の木にも同じような模様がある。今まで気が付かなかった。

10分ほど登って行くと、視界が開けて下に降りる道が現れる。

地図で確認するまでもなく下にある八紘嶺登山口へ下る道。八紘嶺へのルートの途中にある富士見台と呼ばれるポイントへ行く巻道にもなっているが、下るのが面倒なので尾根伝いに富士見台へダイレクトに行く道を選んだ。ヤマレコでは結構歩かれていると思われたルートだが、実際に来てみると道がない。どうやら尾根伝いに適当に歩いていくようだ。
結構な急登で意外としんどかったが20分弱で富士見台に到着した。道はあまりなかったが特に危ないところもなく、尾根伝いに歩くだけなので道迷いをすることもないだろう。

富士見台は文字通り富士山が見えるポイントだが、それほどよく見える場所でもない。八紘嶺へのルートでは富士山が見えるポイントはここと八紘沢の頭の少し下にある眺望ポイントのみ。せっかく静岡の山に来たのに富士山が見えないでは面白くないので何とか見えるここを富士見台と命名したのだろう。
富士見台から八紘沢の頭まで約一時間程かかった。この間はガレて足元がやや悪い場所が点在する。滑落して死に直結するような場所はほぼないが、特に下りでは少し注意して歩いた方が良い。
途中、赤や白色の花が所々に咲いていた。ツツジだろうか。森の緑に映えてきれいだった。

木の幹を見ると小さな芽が生えている。伸びて枝になるのだろうか。

八紘沢の頭まで来ると一面ガスに包まれて眺望は全くなかった。この辺りから上は笹原から深南部の山々や安倍川流域の山の連なりが見渡せる展望地があり、本来はこのルートのハイライトとなるポイントである。

すでにシーズンは終わったと思っていたシロヤシオがここにだけ咲いていた。

八紘沢の頭からは登山道の傾斜も緩やかになり歩きやすいところがふえる。20分ほどで山頂に到着した。

以前来た時はここからさらに七面山までピストンをしたが、現在このルートは昨年の台風19号の被害で倒木がひどくてルートが不明瞭になっているらしい。尾根が広くかなり道迷いしやすいルートなので慣れていない方は行かない方がよいと思う。綺麗な森なんですけどね。
時間があれば赤線つなぎで大谷嶺まで行きたかったが、寝坊して登り始めが遅かったので今回はあきらめる事にした。
久々の山行で体力ダウンを実感。次の日にふくらはぎと太ももが筋肉痛になってしまった。自粛中も一応筋トレはしていたつもりだったが、やっぱり登らないとダメですね。
安倍川源流動画
動画も作ってみました。安倍川源流と八紘嶺へ行かれる方のご参考になれば。

コース
駐車場・登山口
梅ヶ島温泉駐車場は20台程度停車できます。登山口はここから10分ほど。下の地図の星印の場所になります。
ルート地図
ルートタイム
【登山口⇒安倍峠】 山行時間:103分(休憩含まず)
梅ケ島温泉駐車場⇒2分⇒梅ヶ島温泉⇒7分⇒八紘嶺安倍峠登山口⇒44分⇒八紘嶺登山道入口⇒12分⇒安倍峠旧歩道⇒33分⇒安倍川源流⇒5分⇒安倍峠
【安倍峠⇒バラの段⇒八紘嶺登山口】 山行時間56分(休憩含まず)
安倍峠⇒25分⇒バラの段⇒24分⇒安倍峠⇒10分⇒八紘嶺登山口(安倍峠)
【八紘嶺登山口(安倍峠)⇒八紘嶺】 山行時間96分(休憩含まず)
八紘嶺登山口(安倍峠)⇒26分⇒富士見台⇒52分⇒八紘沢の頭⇒18分⇒八紘嶺
【八紘嶺⇒梅ヶ島温泉】 山行時間98分(休憩含まず)
八紘嶺⇒17分⇒八紘沢の頭⇒30分⇒富士見台⇒18分⇒八紘嶺登山道入口⇒25分⇒八紘嶺安倍峠登山口⇒6分⇒梅ヶ島温泉⇒2分⇒梅ヶ島温泉駐車場
ルートデータ
- 出発時刻/高度: 07:52 / 896m
- 到着時刻/高度: 14:40 / 896m
- 合計時間: 6時間48分
- 合計距離: 14.03km
- 最高点の標高: 1898m
- 最低点の標高: 868m
- 累積標高(上り): 1379m
- 累積標高(下り): 1351m
- 荷物重量 : 約8kg
- 消費カロリー : 3,357kcal
持ち物
- ザック deuterFUTURA28
- 登山靴 mont-bell タイオガブーツ
- 手袋 mont-bellフリース製
- ミドルレイヤー mont-bell Tシャツ
- ベースレイヤー mont-bellジオラインL.W.
- パンツ mont-bellサウスリムパンツ
- 靴下 mont-bell製
- GPS GARMIN62S
- ヘッドライト blackdiamond spot
- ストック メーカー不明
- カメラ Nikon D7200
- レンズ Ai nikkor 28mm F2.8、AF-S Nikkor 55-200mmF4-5.6G2
- その他 帽子 行動食(ゼリー×3、カロリーメイト×3)飲料水1.0L(水0.5L+お茶0.5L) 救急セット 懐中電灯 予備電池 熊鈴 コンパス 地図 時計 携帯 財布 保険証 筆記用具 予備紐 ライター ビバークシート,ココヘリ発信機,PeakDesign Capturecameraclip